中谷防衛大臣がソウルで臨時会見 日比防衛相会談について報告(9月9日)
- 日本の防衛
2025-9-11 09:02
令和7(2025)年9月9日(火)11時57分~12時05分(現地時間)、韓国訪問中の中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、ソウルのロッテホテルで、日比防衛相会談後の臨時会見を行った。
内容は、以下の通り。
大臣からの発表事項
まず、日本とフィリピンの防衛大臣会談の模様についてお話をさせていただきます。
本日11時から11時30分までの約30分間、ギルベルト・テオドロ・フィリピン国防大臣との間で、日本フィリピン防衛大臣会談を実施をいたしました。テオドロ大臣との会談は、本年6月のシャングリラ会合のサイドで実施をしました二国間会議も含めまして、今年に入ってから3度目であります。これほど短時間に継続的にですね、会談を重ねていることは、日本とフィリピンの防衛面での関係が正に戦略的パートナーとして大きく成長をしているということを表しているということであります。
本日の会談におきましては、2月の防衛大臣会談で創設をしました戦略的対話、これを含めて複層的なレベルでの緊密な意思疎通が行われていることを歓迎をし、また、近日、日比RAAが発効することを踏まえて、運用面での一層の連携強化について議論をし、引き続き、日本とフィリピンの防衛協力、これを深化をさせていくということで一致をいたしました。また、シャングリラ会合で私が打ち出しました、OCEAN精神の下で、フィリピンを含む同志国との協力を推進していくことについて、テオドロ大臣からも改めて賛同をいただきました。冒頭ですね、私からテオドロ大臣の今日のスピーチの内容をお話をしましたけれども、その後、OCEANについても議論をしまして、考えが一致できますねということで、フィリピン側からもですね、賛同を得たということでございます。
このように今回の会談を通じまして、我が国の戦略的パートナーであり、我が国のシーレーンの要衝を占めていますフィリピンのですね、間で防衛面での協力が深化をしているということを確認できたということは、正にインド太平洋地域の平和と安定にとりまして非常に意義が深く、地域に対して前向きなメッセージ、これが発信できたのではないかなというふうに思います。
今後、フィリピンとは二国間、並びに多国間いずれの枠組みにおいても、緊密なコミュニケーションを継続をし、防衛協力・交流を強化をしていきたいと、特に日米豪比韓、この5か国の会議、以前一度実施をしましたけれども、何とか2度目も実施したいという意見で一致をしたところであります。
私はこの後、このソウル・ディフェンス・ダイアログにおいて、基調講演をいたします。変化する国際情勢の中で、OCEANの精神の下ですね、国際社会が連携する必要性、とりわけ日米韓、そして日韓、この協力の重要性を強調してまいりたいと思います。
記者との質疑応答
フィリピンとの情報保護協定(GSOMIA)、円滑化協定(RAA)について
記者 :
フィリピンとの情報保護協定についてお伺いします。4月のですね、石破茂首相が開きました、日比の首脳会談では情報保護協定に向けた議論開始で一致しました。今日の会談では、この協定について何か話し合われましたでしょうか。話し合われた場合は、その内容について教えてください。
もう1点目がフィリピンとの間でのRAAについて発効間近ですけれども、改めて日比でRAAを結んだ意義について大臣のお考えをお聞かせください。
大臣 :
情報保護協定、GSOMIAですね、これは4月の日本・フィリピン首脳会談におきまして、政府間で議論を行っていくということで一致をいたしました。この協定の締結によって、フィリピンとの間で深い情報共有が行われるということになりまして、情報面での両国の連携が進むということが期待をされております。
本日の会談におきまして、テオドロ大臣との間で、この議論の進捗を確認をいたしました。そして早期締結に向けて引き続き緊密に連携をしていくということを確認をいたしました。
この日比の円滑化協定につきましては、RAAですけれども、日比の一方の国の部隊が他方の国を訪問して活動を行う際の手続きを定めること、及び同部隊の法的地位を明確にすることなどを通じて、共同訓練、また災害救助等の両国部隊間の協力活動の実施を円滑にするものであります。これにつきましては、昨年7月に署名をし、所要の手続きを経て、9月11日、明後日に発効をする予定であります。本協定の実施によりまして、日比両国の部隊間の相互運用性が向上します。そしてフィリピンとの安全保障・防衛協力が更に促進をされていくということが期待をされております。
本日の会談におきまして、近日中に円滑化協定が発効することを踏まえて、一層の運用面での連携強化に向けて議論をいたしました。そして、防衛省・自衛隊としましては、こうした部隊間の訓練等を通じまして、二国間の安全保障・防衛協力を一層強化をしていく考えでございます。
海自護衛艦の調達、警戒管制レーダーの移転について
記者 :
今日の会談ではですね、兼ねてから話がありました海上自衛隊の退役予定の護衛艦の調達、これをめぐる議論というのは今日の会談であったのかということをお伺いしたいのと、あわせてフィリピンとの間では警戒管制レーダーですね、4基ですか、これがこれまで移転されていますけれども、これを追加するとかという協議は今日行われたのでしょうか。この2点をお伺いできればと思います。
大臣 :
いずれも護衛艦の調達にしても、警戒管制レーダーの移転の話もですね、本日会談において、話はいたしました。
この問題についてですね、この防衛装備・技術協力、急速に進展をしておりますので、こうした成果、これを確認をし、そして防衛装備・技術協力、これをさらに推進をしていくための議論を行いました。この内容につきましては、相手方との関係がありますので、これ以上の詳細につきましてはお答えすることが難しいということでございますが、いずれにしても、引き続き両国の連携強化、そして、事業の促進のためにですね、官民一体となってフィリピンとの間の防衛装備・技術協力、これを進めていくという考えであります。
(以上)
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