中谷防衛大臣が記者会見 東富士演習場での米軍ロケット砲訓練について言及(10月14日)
- 日本の防衛
2025-10-16 09:20
令和7年10月14日(火)10時54分~11時03分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は防衛省A棟10階会見室で閣議後の記者会見を行った。
大臣からの発表事項はなく、記者との質疑応答が以下のとおり行われた。
記者との質疑応答
東富士演習場での米軍ロケット砲訓練の狙いについて
記者 :
防衛省は、10月27日に米軍の高機動ロケット砲システム(HIMARS)の射撃訓練を東富士演習場で実施する方向で調整を進めています。今回の訓練を同訓練場で実施したい狙いを教えてください。また、7日には同演習場で多連装ロケットシステムの射撃訓練を実施していると思いますが、この2つの訓練の日程が近接している理由があれば教えてください。地元は、これまでの協議で恒久化を拒否し1回限りにしてほしいと要望をしていましたが、多連装ロケットシステムの射撃訓練や高機動ロケット砲の射撃訓練は、それぞれ1回限りとなるのか、今後の見通しを教えてください。
大臣 :
米軍によります高機動ロケット砲システム(HIMARS)の射撃訓練というのは、これまで北海道の矢臼別演習場で年に1回程度実施されておりました。しかし、インド太平洋地域の安全保障環境を踏まえますと、日米同盟の抑止力・対処力、これを一層強化をしていくということが重要でありまして、米軍としても、様々な演習場において実践的な訓練機会を確保し、即応性を高める必要があることから、所要の検討を行った結果、今月27日に東富士演習場で訓練を計画しているものであります。また、陸上自衛隊の多連装ロケットシステム(MLRS)。これは平素より日本の様々な場所に迅速に展開をして、演習弾を用いた訓練を実施する実践的な訓練を行い、その能力を向上させるという必要性があることから、今月7日に東富士演習場の場所で訓練を実施をいたしました。このように、陸上自衛隊と米軍それぞれ訓練所要を検討した結果、それぞれの日程で訓練を実施するということになったものであります。一連の訓練によりまして、地元の皆様方には一時的な国道の規制という御負担をおかけいたしますが、現下の厳しい安全保障環境を踏まえまして、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化をしていくために、防衛省・自衛隊及び米軍共に、引き続き、様々な演習場において実践的な訓練を実施したいと意向を有しているところであります。現下の厳しい安全保障環境を踏まえますと、東富士演習場における訓練というものは、抑止力・対処力の向上に重要な意義があると考えております。今後の訓練の計画につきまして、現時点で予断をもってお答えすることは困難でありますが、陸上自衛隊の多連装ロケットシステム及び米軍の高機動ロケット砲システムの射撃訓練につきましては、この演習場で実施をする具体的な計画が生じた際につきましては、地元の皆様方に丁寧に説明をしてまいりたいと思います。なお、本日夕刻、地元の自治体関係者の皆様方に、私が参りまして、直接御挨拶をさせていただきたいと考えております。
公明党の連立離脱について
記者 :
公明党の連立離脱について伺います。野党時代も含め、26年にわたり協力関係を築いてきた公明党が連立を離脱することになりましたが、どのように受け止めているか教えてください。また今日午後には、自民党の両院議員懇談会が開かれ、連立解消を受けて今後の党運営について意見が交わされる見通しですが、どのような議論がなされることを期待するお考えか。そして御自身も出席して意見を述べられる予定かどうかもあわせて教えてください。
大臣 :
私的な立場でお答えさせていただきますけれども、公明党には26年間にわたって、連立政権の安保政策で、大変お世話になりました。私も与党の時は連立協議に調整、参加させていただきましたけれども、この間非常に大きく変化する国際社会におきまして、しっかりと公明党と議論をして、国民が納得をするような政策を作り出し、共に努力を続けてきたパートナーでありましたが、この度、連立解消になったということで大変残念に思っております。特に10年前の平和安全法制や戦略3文書、また防衛装備移転三原則策定・見直しにつきましても、非常に熱心に、かつ真剣にですね、議論をした結果でございまして、非常に重要なものでありました。今後とも国際的な視点で、日本の安全保障政策が非常に重要な時期になってきておりますので、他党との協議におきましては、誠意をもって丁寧に実施をして、政府の取組について説明をし、また、与野党を問わず国会において丁寧に説明をしていくなど、国民の皆様に理解、納得、共感、これが得られるようにですね、努力をしてまいりたいと考えおります。
公明党の連立離脱が今後の安保政策に及ぼす影響について
記者 :
関連でお尋ねします。今、大臣の御回答の中にもですね、安保政策でお世話になったという発言があったかと思います。公明党は先ほどあった安保法制もそうですし、集団的自衛権の行使だったり、装備移転三原則だったり、与党のなかで公明党が安保政策において果たしてきた役割も大きいと思います。今後の安保政策に及ぼす影響だったり、懸念もしくは期待があれば、あわせて教えて下さい。
大臣 :
26年間のこの期間の国際情勢と言いますと、非常に戦後ですね、最も厳しく、また複雑な環境の中でですね、特に我が国の平和と独立、そして国民の命と平和な暮らしを守り抜くという責務を果たすために何が必要かということを真剣に公明党と議論をしてまいりました。特に自公の連立が始まる以前、1999年、これはPKOの議論もいたしましたが、もう早期からPKOにつきましては公明党から5原則、つまり同意・合意・中立・武器使用・撤収、この原則を確立をするとともにPKOへの体制、また船舶検査、海賊対処、テロ対策、イラク支援法など、いろんな法律を協議をしまして、現在に至っているわけでございます。つい最近もですね、防衛装備移転三原則策定・見直しも自公で行ってきましたが、このような政府の取組については今後は与野党を問わずですね、国会においてきちんと説明をしていく、各党と真摯にですね、誠意をもって協議を行っていくということで、国民の皆様方の理解と納得と共感、これが得られるようにですね、努めてまいりましたけれども、このような立場はですね、今後も変わるものではないというふうに考えております。
(以上)
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