小泉防衛大臣が「第12回拡大ASEAN国防相会議」に出席(11月1日)
- 日本の防衛
2025-11-6 10:31
防衛省は令和7(2025)年11月1日(土)19時35分、マレーシアで開催された「第12回拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)」に小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣が出席したことについて、以下のとおり公表した。
小泉防衛大臣による「第12回拡大ASEAN国防相会議」への出席について(概要)
令和7年11月1日(土)、マレーシア(クアラルンプール)において「第12回拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)」が開催され、我が国から小泉防衛大臣が出席しました。本会議では、参加各国の国防大臣等の間でADMMプラス15周年の振返りと将来に向けた展望について意見交換が行われ、小泉防衛大臣は、概要以下を発言しました。
インド太平洋が直面する複合的挑戦
(1)現在、インド太平洋地域の安全保障環境はかつてなく厳しく複雑な状況。東シナ海や南シナ海における力又は威圧による一方的な現状変更の試み、北朝鮮の核・ミサイル開発やロシアとの軍事協力の進展は深刻な懸念。また、台湾海峡の平和と安定は重要。北朝鮮による拉致問題の即時解決も必要。
(2)さらに、ロシアによるウクライナ侵略は引き続き国際秩序の根幹を揺るがす暴挙。中東における合意が事態の鎮静化と人道状況の改善につながることも重要。サイバー、宇宙、情報戦といった領域横断的かつ非伝統的な脅威は我々の安全を新たな次元で脅かすもの。
揺らぐ秩序の土台
(3)課題の根幹的な原因として、信頼に基づく安定的で予測可能な国家関係を支えてきた国際秩序の土台そのものが揺らいでいる。具体的には、①法の支配を含むルールに基づく国際秩序、②アカウンタビリティ・説明責任、③国際公共財への責任という三つの基本的精神への信頼が揺らいでいる。
ASEANとADMMプラスの軌跡
(4)基本的精神への信頼を取り戻す取組において、インド太平洋地域の中心に位置するASEANの役割は決定的に重要。地域のすべての国々の努力によって、ASEANの「中心性」と同時に「一体性」が確保され続ける必要がある。
(5)ADMMプラスの15年の歴史は、時々の難題を乗り越え地域の平和と安定に貢献し続けるために国防当局にできる取り組みを求め続けてきた歴史でもある。例えば、ASEANが主導する「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を防衛面から支えるとの観点から、2023年にASEAN国防相会議(ADMM)が「防衛の視点からのAOIPの実施に関するコンセプトペーパー」を採択。日本はこのコンセプトをいち早く支持。このコンセプトの下での初めてのADMMプラスの公式行事として、昨年12月にインドネシアと「海洋協力及び連結性会議(MCCC)」を共催。ASEANだけでなく太平洋島嶼国を含む多くの国々が参加。AOIPを我が国は一貫して支持してきた。FOIPとAOIPがシナジーを生み出していけるよう防衛面での連携を強化していく。
未来への道筋
(6)こうした取組は、各国の自主的な取組の上に築かれるべき。各国の国防当局が、上述の三つの基本的精神を改めて力強く確認することを強く呼びかけたい。
(7)その上で、この精神に基づき、①インド太平洋地域を俯瞰し、各国間で運用や共同訓練、人的交流や能力構築支援、装備・技術協力を幾層にも重ねて「相互連結性の重層的な網」をはりめぐらせていく、②強固なシナジーを生み出し、地域全体に柔軟で強靭で安定的な秩序をもたらしていくことを強く呼びかけたい。
(8)また、日米同盟と日本は引き続き地域の平和と繁栄の礎であり続ける。我が国の役割と責任を果たして行くことを改めて明確にしたい。全幅の信頼を置いていただきたい。
日本の揺るぎないコミットメント
(9)日本はインド太平洋地域の平和と繁栄に貢献するASEAN各国の「最良のパートナー」であり続けてきた。日ASEANの間には、「ビエンチャン・ビジョン」及び「ビエンチャン・ビジョン2.0」があり、これを具体化するものとして「防衛協力強化のための日ASEAN大臣イニシアティブ:ジャスミン」もある。今年5月のシャングリラ会合では、我々が共有すべき精神として「OCEAN」を提唱した。
(10)こうした基盤の上に、これまでの枠を超え、日ASEAN協力の射程を、日ASEAN間の防衛関係の強化から、ASEANを中心とするインド太平洋地域全体での相互連結性の強化の段階に進めていきたい。
(11)さらに、急速に変化する現代的な課題にも効果的に対処できるよう、例えば、①HA/DR(人道支援・災害救援)におけるWPS(女性・平和・安全保障)の視点の反映、②海洋安全保障専門家会合(EWG)の下で行われる共同協力活動における気候変動の視点の導入、③AI等の新たな技術により複雑化・高度化する可能性のあるCBR(化学・生物・放射性物質)への効果的対処など、伝統的なアプローチに新たな視点を組み合わせながら、「相互連結性の重層的な網」の構築により効果的に貢献していく。
新たな時代を共に築く
(12)困難な時代であればこそ、日ASEANの防衛協力が、インド太平洋地域全体の平和と繁栄にさらに貢献していくものとなるよう、創造的かつ強力に取り組んでいきたい。
本会議では、参加各国による意見交換の後、「ADMMプラス創設15周年記念共同声明」が採択されました。
(以上)
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