小泉防衛大臣が記者会見 防衛力変革推進本部の開催や三文書改定に言及(11月21日)
- 日本の防衛
2025-11-26 10:44
令和7年(2025)11月21日(金)8時45分~8時51分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は参議院別館3階防衛省政府控室において閣議後の会見を実施した。
大臣からの発表事項と、記者との質疑応答は以下の通り。
大臣からの発表事項
防衛力変革推進本部の開催について
本日夕刻に、第2回目となります防衛力変革推進本部を開催いたします。本日は、我が国を取り巻く安全保障環境、これが1つ目。
そして2つ目に、令和7年度補正予算、これについて議論を予定をしています。戦略三文書の改定に向けて、安全保障環境や国際情勢の分析は極めて重要であり、今後の検討の土台となるものです。
急速かつ複雑に変化する安全保障環境について、単に事実関係をなぞるだけではなく、その背後にある意図や、我が国に与える影響を議論したいというふうに考えています。その上で、我が国として、どのような戦略の下、どのような具体的取組を展開していく必要があるのかといった点について、しっかりと検討していきたいと思います。
また、令和7年度補正予算については、現在、省内において詰めの作業を行っているところです。本日は、その状況について報告を受け、防衛力抜本的強化の加速化のための取組について、議論を行う予定です。
記者との質疑応答
中国の反発と安全保障環境について
記者 :
まず、日中関係について伺います。高市総理の存立危機事態をめぐる国会答弁で、中国の方は反発を強めていますが、東シナ海等でですね、中国の特異な活動など確認されていることはありますでしょうか。また、警戒態勢を強めているようなことがあれば教えてください。
大臣 :
防衛省・自衛隊としては、平素から行っている警戒監視等を引き続き粛々と行っていくと。それに尽きます。
与党側の三文書改定議論への期待
記者 :
昨日からですね、自民党の方で三文書の改定をめぐる安保調査会の議論がスタートしました。改めて期待すること、受け止め、教えてください。またですね、スピード感、大臣重視されていますけれども、そのスピード感で党側に求めることがあればお願いします。
大臣 :
昨日も小野寺安保調査会長ともお話をさせていただきまして、政府与党、頭を一つ心を一つに進めていくということで認識を一致していますので、政府与党一体で進めていければと思いますし、以前にも申し上げたとおり、与党がこの安保環境が厳しくなっている中で、政策が適切に進んでいくための推進力として、役割を果たしていただけることを期待をしています。
また、5類型、この話も自民党と日本維新の会、この間で連立合意の中でありますように、極めて重いものだと受け止めておりますし、昨日は維新の藤田共同代表をはじめ、役員の皆さんが揃って、防衛省にも来ていただきました。
こういった中で、引き続き緊密なコミュニケーションを図るとともにですね、特に5類型、今までの経緯を踏まえれば、自民党と公明党の間で進めてきたという、こういった過去の経緯を踏まえると、改めてですね、この5類型、ここに至った中の公明党の思いも含めてですね、私も日頃から伺っていますけれども、しっかり過去の経緯を踏まえて、この5類型の撤廃というものに向けて、適切な丁寧な説明ができるように進めていきたいと思います。
在日米軍関係者による事件・事故と再発防止
記者 :
沖縄に駐留する米海軍兵がですね、少女に対する不同意わいせつの疑いで書類送検されています。近年、性犯罪事案が相次いでいるということで、日米ともにというか、米軍を中心に防止策を強化している中で、またこういった事件が起きているのですけれども、大臣の受け止めをお伺いしたいというのと、この件を受けて、防衛省側として何か抗議や申し入れを在日米軍側にしたとか、対応を何かされていたら教えてください。
大臣 :
お尋ねの事案は、捜査当局において捜査中の事案と承知していますので、防衛省としてコメントすることは差し控えなければならないことを御理解いただければと思います。
その上で、米軍人等による事件・事故は、地元の皆様に大きな不安を与えるものであります。あってはならないものです。
米軍人等による事件・事故の防止には、まずは、米側の努力が重要であるとの認識の下、アメリカ側に対し、兵士の教育や綱紀粛正、そして再発防止の徹底について、機会あるごとに、強く、申し入れを行ってきています。
そして先日10月29日の日米防衛相会談においても、私とヘグセス長官との間で、在日米軍による事件・事故の再発防止のための協力を進めることで一致したところです。このように、引き続き、様々な機会を捉えて、アメリカ側に強く申し入れ、更なる努力を求めてまいります。
熊本・健軍駐屯地の長射程ミサイル配備と住民説明会
記者 :
本年度熊本の健軍駐屯地に配備が予定されている長射程ミサイルのことについてお尋ねします。高市首相は弊紙の取材にですね、早期の住民説明会の開催に非常に意欲を示されていたのですが、この前国会答弁で判断を防衛省に一任するいうふうにおっしゃられています。熊本県議会では、オスプレイの配備だとか、弾薬庫整備で住民説明会開かれているのですが、熊本ではまだ未開催ということで非常に求める声が地元では強いです。大臣の意向をお願いします。
大臣 :
健軍駐屯地へのスタンド・オフ・ミサイル配備については、地元において様々な御意見があることは承知をしています。地元の皆様に対する丁寧な説明や適切な情報提供を行っているところです。
具体的には、九州防衛局において問い合わせ窓口を設置し、住民の皆様から広く御質問をお受けする態勢をとっており、いただいた疑問には逐次適切にお答えして、御意見はしっかりと受け止めるなどの対応しているほか、九州防衛局のウェブサイトには、住民の皆様の御懸念を解消できるようにQ&Aを掲載することによって、既に積極的な発信に努めております。
こうした取組を行っている中、現時点において、住民説明会を実施する予定はありませんが、引き続き丁寧な説明にしっかりと努めていきたいと思います。
※編集部注:11月25日、九州防衛局は「陸上自衛隊健軍駐屯地への12式地対艦誘導弾同能力向上型(地発型)配備について」という専門ページを用意した。
(以上)
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