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米国とイスラエルがイランを攻撃 外務省と防衛省の対応、邦人の退避支援の実施など(3月3日、4日のまとめ)

  • 日本の防衛

2026-3-5 12:52

 米国とイスラエルによるイラン攻撃およびイランによる中東諸国への報復攻撃を受けて、外務省と防衛省では在留日本人の安全を確保するための措置などを講じている。

 令和8(2026)年3月3日(月)〜4日(火)に外務省と外務省の公式サイトで発表された、イラン、中東関係の情報を以下にまとめて転載する。

(内容)
▪3月3日 海上幕僚長 定例記者会見から抜粋
▪3月3日 航空幕僚長 定例記者会見から抜粋
▪3月3日 陸上幕僚長 定例記者会見から抜粋
▪3月4日 外務省:イラン・イスラム共和国からの陸路による邦人の退避支援の実施について
▪3月4日 外務省:海外における自国民保護に関する日・カナダ協力覚書への署名
▪3月4日 外務省:北村外務報道官会見記録から抜粋
▪3月4日 外務省:日・カタール外相電話会談

海幕長定例記者会見(防衛省、3月3日 13:30から実施)

写真:海上自衛隊

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文は別の記事にまとめます。

記者 :2月28日にアメリカとイスラエルがイランを攻撃して、それを受けてイラン側がバーレーンのマナマにある米海軍第5艦隊司令部をミサイル攻撃しました。そこで着弾して、大きな煙が立ち上る映像がインターネット上に出てまして、私はこれを見てすごく背筋が凍ったんですけども、このバーレーンにある第5艦隊司令部は戦略的にすごい重要なのでイランが狙ったと思うんですよね。
 もし同じように日本、米軍が絡んだ事態が起きたときに、多分、横須賀の第7艦隊司令部が同じように標的にされる可能性があると思うんですね。その際に、バーレーンでも第5艦隊司令部が着弾を許してしまったんですけど、日本の第7艦隊司令部は、果たして飽和攻撃を受けた時に大丈夫なのか心配なんですよね。海幕長この辺りですね、「日本は大丈夫」というアシュアランスが欲しくてですね、伺いたいと思います。

海幕長 :こういった事象が起こったということは、私も報道等で見て承知しております。そういったことがないように、第7艦隊とともにあそこには我々の海上自衛隊の重要な拠点もありますので、そういったものを普段から守るためにはどうすれば良いかということを日々検討しておりますし、日々訓練も行っておりますので、そういったものでそういった事態にはしっかりと備えたいと思っています。

記者 :イラン側はバーレーンだけじゃなくていろんな国にやったじゃないですか。リビアとかサウジとか、その連携も含めてきっちり大丈夫だということですね。

海幕長 :その連携といいますと。

記者 :米軍とです。

海幕長 :はい。米軍と日々訓練を行っております。意思の疎通も図っております。

記者 :バーレーンの第5艦隊司令部と違って横須賀は、日本とアメリカのネイビーの心臓部が二つ揃ってるとこだから、着弾を許したらバーレーンのように本当にいけないと思うので。

海幕長 :ご指摘のとおりだと思いますし、首都にも近いところですのでしっかりと連携を図っていきたいと思います。

記者 :イラン情勢の関係ですが、イラン革命防衛隊は、ホルムズ海峡を封鎖しており、運航しようとする船舶は攻撃されると宣言しています。日本のエネルギー輸送の要衝であると思いますが、安全保障に与える影響などについてどのようにお考えでしょうか。

海幕長 :多くの資源を海外に、中東に依存する度合いが非常に大きいことは紛れもない事実であると思いますので、そこの海域の安全をしっかりと担保するというのは、日本国のみならず国際社会の重要なことだと思っております。

記者 :中東情勢に関してお伺いします。現在、海自の護衛艦が中東のシーレーンに派遣されていますが、情勢は緊迫化する中で、護衛艦の防空能力を含め十分に安全を確保できる態勢なのか教えてください。

海幕長 :海賊対処で行っている護衛艦、現在は「ゆうだち」が展開しております。「ゆうだち」は防空能力として、ミサイル、あるいはCIWS(近接防空システム)、そして主砲を持っております。そういったもので対応することになると思いますけども、今の緊迫した情勢を受けて「中東地域で活動する部隊の安全確保に努めること」ということを大臣からご指示いただいておりますので、安全を確保できるところで任務を継続していくところです。

記者 :現在派遣されている護衛艦は汎用型の護衛艦ですが、経空脅威を考えた場合、より防空能力が優れたビークルを派遣する必要性についてはいかがでしょうか。

海幕長 :おそらく具体的なイメージでは、イージス艦かどうかということですよね。それは情勢に応じて適切なビークルを配備することが必要であると思っております。現時点においては、現状のビークルで対応できると思っております。

記者 :先ほどイラン情勢の質問に関して、イージス艦については現状、派遣するような情勢ではなかろうというお話だったんですけれど、海賊対処、それから情報収集のための艦艇が1隻になっております。この戦闘がですね、長期するようになってくれば、やはり海賊対処と情報収集のための艦艇というのは、別々にもう1隻出した方が良いとお考えでしょうか。運用に関わるのでお答えが難しいと思うのですが、聞かせていただけますか。

海幕長 :運用に関わること、かつ仮定のご質問ですので、中々回答するのが難しいと思いますが、今までもその時の情勢に応じて、情勢判断を行って、部隊運用を行ってきましたので、しかるべき判断がなされるものと思っています。

記者 :類似した話になるのですが、今中東方面に対して艦艇1隻派遣されているという状態で、例えばその緊張が高まる状態において、海幕長として乗員に、実際に任務に現場であたっている乗員たちにどのような心構えと言うとあれですけれども、自衛官としてどういうことを求められるのかということについてお伺いしたいと思います。

海幕長 :派遣されている隊員については、情勢如何に関わらず、しっかりと使命感をもって、責任感をもって取り組んでいると思います。また、そういった士気の高揚については、部隊の長、艦で言うと艦長、あるいは派遣元の自衛艦隊司令官等々がですね、しっかりと隊員の士気について高揚する施策をしっかりと行っていると思います。特段そこに私が踏み込んで物事を喋るとか、そういう状況ではないと思っています。各隊員が司司(つかさつかさ)でしっかりと取り組んでくれていると思っています。

空幕長記者会見(防衛省、3月3日14:30から実施)

画像出典:記者会見動画

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文は別の記事にまとめます。

記者 :アメリカとイスラエルによるイラン攻撃に関連して質問します。イラン攻撃があった後に、イランが湾岸諸国を次々と報復攻撃に出てまして、それで3月2日には、クウェートの防空部隊が誤ってイランとの戦闘任務中だった米軍のF-15戦闘機3機を撃ち落として撃墜してしまいました。
 日本もPAC-3、PAC-3MSE等をたくさん導入して、F-15を日本もアメリカも運用していますけれども、今回のこのクウェートの件について、私は他人事じゃないかなと有事の際にですね、もっと教訓にしなければいけないかなと思ったんですけれども、空幕長何かご見解あればまずお伺いしたいと思います。

空幕長 :ご指摘の報道については承知をしております。しかしながら、詳細については私はまだ承知しているところではございません。ですので、お答えする立場にないというところではあります。
 その上で、一般論といたしまして、友軍相撃ということへのお尋ねだというふうに思います。こちらの方につきましては、古くから様々な戦闘でですね、行われているというふうに認識をしております。この友軍相撃に陥らないために様々な装備品を導入したり、それから相互に訓練をしたりというようなところで、その友軍相撃を起こさないような策を講じていく必要があるというふうに認識をしておりますし、今まで我々につきましてもそのような策を講じてきているところであります。
 細部の、今回の教訓も含めてですね、どういった状況であったかということにつきましては、引き続き情報を収集していきたいというふうに考えております。

記者 :様々な装備品、例えばどんな装備品ですか。

空幕長 :その細部については、私が今この場で申し上げられるかどうかはちょっと分かりませんので、後ほど担当を通じてご説明(※1)させていただきます。

記者 :先ほどの友軍相撃の件なんですけども、その具体的な友軍相撃を避けるための装備というのはIFF(敵味方識別装置)以外に何かあるんでしょうか。

空幕長 :私自身が今承知している限りではIFFを頭に置いておりますが、それ以外のところにつきましては、後ほど回答(※1)させていただきたいというふうに思います。

後刻、以下のとおり回答。
※1:下線部『友軍相撃防止を含めた状況把握を目的として、各装備品が有するレーダーや味方識別装置を使用しています。』

荒井陸上幕僚長 定例記者会見(防衛省、3月3日 15:30から実施)

画像出典:記者会見動画

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文は別の記事にまとめます。

記者 :アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃について質問いたします。イランへの攻撃があってから、イランの報復攻撃で、クウェートの南部のキャンプ・アリフジャン基地が攻撃されて、米陸軍兵士を含め6人がこれまでに亡くなったと報道されていますが、クウェートのキャンプが攻撃されたということを踏まえて、日本だったら例えばキャンプ座間が有事の際に攻撃されるのかなと思ったりしたんですが、日本のキャンプの防空システムというのは、今回の件を踏まえて、大丈夫だと言えるのでしょうか?

陸幕長 :そのような米軍兵士の死者が出ているということの報道については、承知をしているところであります。我々もこのイランの情勢というのは様々な面から注視をしておりますので、様々な情報収集、あるいは色々な確認をしているところであります。
 同じような事態が国内のキャンプ座間で起きたらどうかというご質問だと思うのですが、そのような仮定の質問にお答えすることは差し控えをさせていただきたいと思います。
 その上で、今ご指摘がありましたような作戦の司令部等については、その司令部をしっかり防護するという観点から、平素から様々な脅威は何か、それに対する対応策は何かなどについて、手段あるいは方策を講じて、司令部の防護については万全の備えをしていきたいというふうに考えております。

記者 :今回のイランによる攻撃では、アメリカの海軍の基地がやられたり、アメリカ空軍のF-35が墜落したりと、色々な教訓がすごく得られると思うのですが、その点についていかがでしょうか。

陸幕長 :情勢については様々な観点、特に我々としては軍事の観点、あるいは陸軍種の観点から、様々な情報収集に努めていきたいと思っております。

記者 :今回の事態を受けて、沖縄の米軍基地の方では警戒レベルを上げているというところがあるのですけれども、沖縄県内の自衛隊の駐屯地に関しても同じように警戒レベルを上げているようなこともあったりするでしょうか。

陸幕長 :陸上自衛隊の運用に関わる事項ですので、細部については回答を差し控えさせていただきます。その上で、米軍と隣接しているような陸上自衛隊の部隊、あるいは海・空自衛隊もそうだと思いますが、しっかりと情報交換をして、連携しながら態勢をとっているところであります。

記者 :イラン情勢についてですが、現在、防衛大臣の方からは、邦人退避のための即応態勢はとっているとのお話がありますが、いつ自衛隊が出動していくのか、ちょっと分からない状況の中で、いつもでしたら中央即応連隊とかの部隊が海外へ派遣されるのですが、先行きが見えない状況で、隊員の士気を高めることについて、指揮官としてどんなことに気を使うものなのでしょうか。少しざっくりとした質問で恐縮ですが、お願いいたします。

陸幕長 :今ご指摘ありましたとおり、大臣等の指示を受けまして、陸上自衛隊としましても、在外邦人等の輸送任務の待機態勢、これは常に整えておりますし、引き続き、今回の情勢に応じて、現地の情勢を注視して、今後の事態の推移に応じて即応できるように、そして任務を確実に遂行できるような態勢をとっております。その上で、隊員の士気・モラルですね、こういうものを維持したり、あるいは向上させたりというご質問だったと思うのですが、今回の中央即応連隊に限っているわけではないのですが、当該担当の部隊については、まさに平素からそういう任務が割り当てられておりますので、いざという時の心持ちとか、あるいは物心両面の準備も含め、平素から指揮官が指揮・統率の範疇でやっていることでありますので、当該部隊の状況というのは確認をしながらになりますが、今の待機部隊については士気、そしてそういうものも含めて、しっかりとやってくれているものと確信をしております。

イラン・イスラム共和国からの陸路による邦人の退避支援の実施について(外務省、3月4日)

1 3月4日04:50(現地時間3日23:50)、イラン・イスラム共和国からの出国を希望する日本人2名が、イランの首都テヘランから隣国アゼルバイジャン共和国の首都バクーに陸路で無事到着しました。

2 この退避は、在イラン日本国大使館及び在アゼルバイジャン日本国大使館の支援によるものです。外務本省から派遣された海外緊急展開チーム(ERT)要員2名と在トルコ日本国大使館所属の医務官も、バクーで邦人の受入れに当たりました。

3 政府としては、今後も、状況の推移を見極めながら、邦人保護に万全を期してまいります。

海外における自国民保護に関する日・カナダ協力覚書への署名(外務省、3月4日)

日・カナダ協力覚書へ署名をする茂木大臣とマッケイ大使の様子 写真:外務省

 3月4日、茂木敏充外務大臣は、マーク・カーニー・カナダ首相(The Right Honourable Mark Carney, Prime Minister of Canada)の来訪に合わせ、イアン・マッケイ駐日カナダ大使兼インド太平洋特使(H.E. Mr. Ian G. McKay, Ambassador of Canada to Japan and Special Envoy for the Indo-Pacific)との間で、「海外における日本国民及びカナダ国民の保護についての協力に関する日本国外務省とカナダ外務・貿易・開発省との間の覚書」への署名を行いました。

1 両国は、2006年のレバノン事案、2023年のスーダン事案や2024年のハイチ事案での自国民退避における協力実績を踏まえ、今後も不測の事態における海外からの自国民退避における連携を強化することで一致しました。こうした背景や両国の緊密で揺るぎないパートナーシップに鑑み、海外における自国民保護の分野における両国間協力を更に円滑に推進するための枠組みとして、今般覚書に署名しました。

2 本覚書は、平素から日・カナダ間で情報共有等を行い、不測の事態における協力を更に円滑に推進するための枠組みであり、海外における緊急時の邦人保護に大きく資することが期待されます。

3 また署名式の機会に、茂木大臣は、マッケイ大使との短時間の懇談を行い、今週のカーニー首相の来訪の成功に向けての協力を確認しました。

(参考1)2006年(平成18年)7月のレバノンからの邦人退避
 2006年7月、ヒズボッラーとイスラエルの戦闘によるレバノン情勢の悪化を受け、カナダ、英国及びフランスが共同でチャーターした船により、邦人5名がキプロスに退避した。

(参考2)2023年(令和5年)4月のスーダン共和国からの邦人等退避
 2023年4月、スーダン国軍と準軍事組織である即応支援部隊の衝突によるスーダンの情勢悪化を受け、カナダの軍用機により、邦人4名及び邦人の家族1名がジブチに退避した。

(参考3)2024年(令和6年)3月のハイチからのカナダ人出国
 2024年3月、ハイチの治安情勢の悪化を受け、カナダが実施したヘリコプターでの在ハイチ・カナダ大使館館員の出国を日本が支援した。

北村外務報道官会見記録(外務省、3月4日)

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文は記事最下段のリンクからご覧ください。

冒頭発言 「たびレジ」登録のお願い

【北村外務報道官】冒頭、私から1点、「たびレジ」登録のお願いでございます。

 皆様、ご存知のとおり、2月28日にイラン攻撃が発生して以降、中東地域の我が国在外公館では、安全に関わる現地の情勢や邦人のニーズを踏まえつつ、邦人保護に万全を期すべく努めております。

 お困りのことや支援が必要なことがございましたら、お近くの在外公館までご連絡をください。休館日、閉館時間帯でも対応しております。外務省ホームページや公式SNSで連絡先一覧を発信しておりますので、参照いただければと思います。

 また、中東地域の在外公館は現在、定期的に安全情報や空港、フライトの状況を在留届提出者及び「たびレジ」登録者に向けて随時発信をしております。「たびレジ」に登録いただければ、現地の在外公館からタイムリーに最新情報を受信できます。空港閉鎖等によりまして、中東地域で留め置かれております邦人の方々におかれましては、今こそ「たびレジ」に登録いただき、最新の情報を入手してください。

 なお、「たびレジ」は日本国内の御家族も追加登録できます。そして現地と同じ情報を入手できます。LINEでも登録可能でございますので、海外渡航の際の「命綱」として、「たびレジ」の登録をどうぞよろしくお願い申し上げます。

日・カタール外相電話会談(外務省、3月4日)

 3月4日、午後5時から約20分間、茂木敏充外務大臣は、ムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ・カタール国首相兼外務大臣(H.E. Sheikh Mohammed bin Abdulrahman Al-Thani, Prime Minister and Minister of Foreign Affairs of the State of Qatar)と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭、茂木大臣から、現下のイランをめぐる情勢を始め、中東地域のみならず、世界各地の紛争を仲介するカタールの外交努力に敬意を表する旨述べました。

2 また、茂木大臣から、我が国として、イランに対し、核兵器開発及び周辺国への攻撃を含む地域を不安定化させる行動をやめるとともに、外交的解決を強く求めてきている旨を述べました。

3 その上で、カタールを含む周辺国のエネルギー施設を含む民間施設や外交施設等にまでイランの攻撃が及んでおり、民間人の死者も発生している、また、イラン側はホルムズ海峡の閉鎖に言及しており、実際にホルムズ海峡やその周辺海域において民間船舶が攻撃を受けている、こうした状況を踏まえ、我が国として、イランの行動を非難する旨述べました。

4 さらに、カタールを始めとする地域に滞在する日本人の安全確保やホルムズ海峡の安全な航行の確保を含む事態の早期沈静化等について、カタールとも連携・協力したい旨述べました。

5 これに対しムハンマド首相兼外務大臣から、対話を通じた外交による問題解決の重要性が強調されるとともに、事態の早期沈静化及び地域の平和と安定のために日本とも連携していきたい旨の発言がありました。また、日本人の安全確保、出国支援についても引き続き協力していきたいとの発言がありました。

(以上)

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