日本の防衛と安全保障の今を伝える
[Jディフェンスニュース]

site search

menu

Jディフェンスニュース

イラン・中東情勢への日本政府の対応(4月17日〜5月6日のまとめ)

  • 日本の防衛

2026-5-7 08:05

 令和8(2026)年2月28日(土)に発生した米国とイスラエルによるイラン攻撃およびイランによる中東諸国への報復攻撃を受けて、日本政府は中東在留日本人の安全確保、事態の沈静化、国内へのさまざまな影響を最小限にとどめるための取り組みを進めている。

 4月17日(金)から5月2日(金)にかけて、外務省および首相官邸の公式サイトで公表された安全保障関連の主な動きについて、以下にまとめて転載する。

〔内容〕
▪4/17 仏・英主催のホルムズ海峡の航行自由に関する首脳オンライン会合に高市総理がメッセージを提出
▪4/21〜4/30 高市総理がカタール、サウジアラビア、エジプト、イランの首長と電話会談。停戦維持とホルムズ海峡関連の連携など要請
▪4/24・4/30 中東情勢に関する関係閣僚会議(第5、6回)を開催。内容は石油関連など
▪4/29 ペルシャ湾に滞留していた日本関係船舶1隻(日本人乗組員3名)がホルムズ海峡を通過、ペルシャ湾外へ
▪4/22・4/29・4/30 ペルシャ湾内の日本関係船舶の日本人乗組員が順次下船・帰国(計10名、2〜4回目)。湾内の日本人乗組員は計7名に
▪5/2 茂木外相がイラン外相と電話会談。停戦維持と対米協議の早期再開を期待、最大限の柔軟性を求め、残る日本関係船舶の早期通過を働きかけ

※上から下へ時系列順

外務大臣談話 イスラエル・レバノン間の停戦合意について(令和8年4月17日)

1 我が国は、4月17日(現地時間4月16日)に米国の仲介によりイスラエル政府とレバノン政府が10日間の停戦に合意したことを歓迎します。

2 レバノン情勢に関し、これまで我が国は、全ての関係者に対し、敵対行為の即時停止、国際人道法を含む国際法の遵守、及び国連安全保障理事会決議第1701号を含む関連決議の完全な履行、最大限の自制及び外交的解決に真摯に取り組むことを強く求め、事態の更なる悪化を防ぐために尽力してきました。

3 我が国は、今回の合意が米国・イラン間の協議を含む地域情勢に与える影響を注視するとともに、合意が維持され、更なる地域の平和と安定に繋がるよう、全ての当事者が停戦合意を完全に履行することを強く期待します。

茂木外務大臣 会見(令和8年4月17日)

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文はリンク先をご覧ください。

ホルムズ海峡の航行の自由に関するオンライン会合等

【朝日新聞 宮脇記者】
 イギリスとフランスは、本日、ホルムズ海峡の航行の自由に関するオンライン会議を開きます。日本としての参加の検討状況をお伺いいたします。また、戦闘終結後の機雷掃海などの船舶の安全確保の行動について、英仏との協力も含めて、どのような形で日本が関わっていくことが望ましいか、大臣のお考えをお伺いいたします。

【茂木外務大臣】
 御指摘の今晩の会合に、日本政府としてどう対応するかについて、現在、調整中であります。
 また、戦闘終了後の船舶の安全確保の活動については、ホルムズ海峡をめぐる状況、今、日々変化している、こういうことから、現時点で具体的にどう関与していくのか、おそらく、どの国も見通せないと思いますけれども、関与の在り方について予断することは差し控えたいと思います。
 いずれにしても、重要なことは、まず停戦が行われなければ、合意が行われなければ、その後の行動というのは起こってこないと、こういうことでありまして、まず、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含みます事態の沈静化が実際に図られることでありまして、米・イラン間の協議が再開されて、話合いを通じて最終的な合意に早期に至ること、これを強く期待しております。

仏・英主催ホルムズ海峡における航行の自由に関する首脳オンライン会合に際する高市内閣総理大臣書面メッセージ(令和8年4月17日)

 4月17日、高市早苗内閣総理大臣は、仏・英両政府の主催で同日開催された「ホルムズ海峡における航行の自由に関する首脳オンライン会合」に際し、書面メッセージを発出したところ、メッセージの内容は以下のとおりです。

1 フランス及び英国によるイニシアティブに感謝。

2 米国とイランの間で協議が継続していることを前向きな動きとして歓迎しつつ、関係国の仲介努力を後押しする。

3 ホルムズ海峡は世界の物流の要衝であり、国際公共財。ホルムズ海峡の安定が一刻も早く回復し、すべての国の船舶の航行の自由及び安全が確保されることが不可欠であり、日本もそのために必要な外交努力を重ねてきている。

4 また、喫緊の課題として、ペルシャ湾内に留め置かれている船舶・船員の安全を確保することも重要。そのために、日本は3月、安全な海上回廊の策定を奨励するIMOの決定を主導し、多くの国の賛同を得た。

5 エネルギーの安定供給が脅かされている現状においては、懸念を共有する国が協力し対応することが重要。この観点から、日本は今週15日、アジアにおけるエネルギーや重要物資のサプライチェーン強靱化に向けた枠組み「POWERR Asia」を立ち上げ、総額約100億ドルの金融面での協力等を表明した。

6 今後も、日本は、関係国や国際機関を含む国際社会と緊密に連携して、我が国として可能な取組を行っていく。

茂木外務大臣会見(令和8年4月21日11時57分)

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文はリンク先をご覧ください。

湾岸協力理事会(GCC)諸国に対する危険レベル引き下げの可能性

【パン・オリエント・ニュース アズハリ記者】
 外務省は、イランをめぐるミサイル攻撃により、GCC(湾岸協力理事会)諸国に対する危険レベルをレベル3に引き上げました。
 停戦合意が成立し、また、数十年以上にわたり日本人が負傷した事例がないことを踏まえ、外務省は危険レベルを3から2、あるいは1にまで引き下げる予定はありますか。

【茂木外務大臣】
 政府としては、2月28日以降、湾岸協力理事会(GCC)諸国において、民間施設等にも被害が発生していると、こういった状況も受けて、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンの全土、及びサウジアラビアのリヤド州、及び東部州の危険情報をレベル3(渡航中止勧告)に引き上げ、注意喚起を行ってきているところであります。
 邦人に対する被害はないということでありますが、イランをめぐる情勢というのは依然として流動的でありまして、危険情報の見直しについては、引き続き、各国の情勢等を見ながら、適切に判断していきたいと、こんなふうに考えています。

外務大臣就任から半年の振り返り

【茂木外務大臣】
(前略)
 加えて、昨今のイラン情勢については、私自身、事態の発生直後から、イランを含みます当事国等の関係国との会談を重ね、国際社会と緊密に連携しながら、邦人の安全確保や必要な外交努力、一日も早い停戦に向けた働きかけ等々をやってきたところであります。
 邦人の保護、そしてまた安全な地域への退避であったりとか、日本への帰国では、本省及び関係する在外公館、本当に昼夜を分かたず、本当に全省を挙げて、本当によくやってくれた、こんなふうに、今、考えているところであります。
(後略)

日・カタール首脳電話会談(令和8年4月21日)

 4月21日、午後4時30分から約20分間、高市早苗内閣総理大臣は、タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ・カタール国首長(H. H. Sheikh Tamim Bin Hamad Al-Thani, Amir of the State of Qatar)と電話会談を行いました。

1 冒頭、高市総理大臣から、イランによる攻撃によりカタールで人的・物的被害が発生していることにお見舞いの意を伝えるとともに、事態発生以降、日本人の安全確保及び出国支援においてカタールから多大な協力を得たことに対する謝意を表明しました。

2 また、高市総理大臣から、停戦が維持され、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が一刻も早く実際に図られることが最も重要であり、米・イラン両国が引き続き話し合いを通じて最終的な合意に至ることが重要との我が国の立場を伝えました。さらに、カタールをはじめとする国際社会と連携し、必要な外交努力を粘り強く行っていく旨述べました。

3 これに対し、タミーム首長からは、外交的手段による問題解決の重要性を強調しつつ、ホルムズ海峡の安全な航行を含め、事態の安定化に向け、引き続き日本を含む各国とも協力していきたい旨の発言がありました。

4 両首脳は、LNGを含むエネルギー分野を始めとする二国間協力を一層強化していくことを確認するとともに、引き続き緊密に意思疎通を継続していくことで一致しました。

ペルシャ湾内の日本関係船舶に乗船していた日本人乗組員(4名)の下船・帰国について(2回目)(令和8年4月22日)

 4月22日、ペルシャ湾内の日本関係船舶に乗船していた日本人乗組員4名が帰国しました。

1 これは、21日深夜(現地時間4月21日夕刻)に当該4名が下船し、日本に向け出国したものです。現地公館が出国を支援しました。

2 なお、この結果、ペルシャ湾内の日本関係船舶の日本人乗組員の人数は計16名となります。政府としては、今後も、状況の推移を見極めながら、邦人保護に万全を期していきます。

日・サウジアラビア首脳電話会談(令和8年4月23日)

 4月23日、午前11時から約30分間、高市早苗内閣総理大臣は、ムハンマド・ビン・サルマン・サウジアラビア皇太子兼首相(H.R.H. Prince Mohammed bin Salman bin Abdulaziz Al-Saud, Crown Prince and Prime Minister of Saudi Arabia)と電話会談を行いました。

1 冒頭、高市総理大臣から、イランの攻撃によりサウジアラビアで人的・物的被害が発生していることにお見舞いの意を伝えるとともに、サウジアラビアが仲介国と共に外交的解決に向けて尽力していることに敬意を表しました。また、サウジアラビアの周辺国に滞在する日本人がリヤド経由で出国した際に多大な協力を得たことに対する謝意を表明しました。

2 高市総理大臣から、停戦が維持され、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が一刻も早く実際に図られることが最も重要であり、米・イラン両国が引き続き話し合いを通じて最終的な合意に至ることが重要との我が国の立場を伝えました。さらに、米・イラン間の協議や仲介国の外交努力を支持してきており、今後もサウジアラビアをはじめとする国際社会と連携し、必要な外交努力を粘り強く行っていく旨述べました。

3 また、高市総理大臣から、サウジアラビアが事態発生後も、ヤンブー港を経由して日本に原油を供給していることに謝意を表明するとともに、日本へのエネルギーの供給拡大に向けた協力を要請しました。

4 これに対し、ムハンマド皇太子からは、日本を含む市場へのエネルギー供給を確保するため、サウジアラビアとして、前向きに対応していきたいとの意向が表明されました。また、ホルムズ海峡の安全な航行を含め、事態の安定化に向け、引き続き日本とも協力していきたい旨の発言がありました。

5 両首脳は、二国間で立ち上げた戦略的パートナーシップ協議会の下で協力を一層強化していくことを確認しました。特に、eスポーツ・ゲーム、宇宙、AI技術、投資分野での協力推進を確認するとともに、2030年のリヤド万博に向けた協力でも一致しました。

日・エジプト首脳電話会談(令和8年4月28日)

 4月28日、午後6時から約20分間、高市早苗内閣総理大臣は、アブドゥルファッターハ・エルシーシ・エジプト大統領(H.E. Mr. Abdel-Fattah El-Sisi, President of the Arab Republic of Egypt)と電話会談を行いました。

1 冒頭、高市総理大臣から、イラン情勢に関し、米イラン間の停戦が維持され、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が一刻も早く実際に図られることが最も重要であり、そのためにエジプトがパキスタンをはじめとする仲介国と共に外交的解決に向けて努力していることに敬意を表しました。また、今後も、エジプトとも連携し、事態の早期沈静化に向けた外交努力を継続していきたい旨述べました。

2 これに対し、エルシーシ大統領からは、高市総理の外交努力を評価するとともに、エジプトとしても米イラン間の協議の早期再開のために引き続き仲介努力を行っていくとの発言があり、両首脳は連携を強化していくことで一致しました。
さらに、両首脳は、ガザの着実な復興に向け、緊密に連携していくことを確認しました。

日本関係船舶のホルムズ海峡通過について(令和8年4月29日)

1 4月29日、ペルシャ湾に滞留していた日本関係船舶が、ホルムズ海峡を通過し、ペルシャ湾外へ退避しました。3名の日本人乗組員が乗船している当該船舶は、現在、日本へ向けて航行しています。

2 我が国はこれまで、日本を含む全ての国の船舶について、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が早期に確保されることが重要であるとの立場から、首脳・外相レベルを始めあらゆる機会を捉えてイランに対して働きかけてきました。

3 政府としては、邦人保護の観点を含め、今般の日本関係船舶の通過を前向きな動きとして受け止めています。

4 我が国としては、残りの日本関係船舶を含め、全ての国の船舶がホルムズ海峡を自由で安全に通過できるよう、引き続きイラン側に働きかけていきます。

ペルシャ湾内の日本関係船舶に乗船していた日本人乗組員(1名)の下船・帰国について(3回目)(令和8年4月29日)

 4月29日、ペルシャ湾内の日本関係船舶に乗船していた日本人乗組員1名が帰国しました。

1 これは、28日午後(現地時間28日午前)に当該1名が下船し、日本に向け出国したものです。現地公館が出国を支援しました。

2 なお、この結果、ペルシャ湾内の日本関係船舶の日本人乗組員の人数は計12名となります。政府としては、今後も、状況の推移を見極めながら、邦人保護に万全を期していきます。

ペルシャ湾内の日本関係船舶に乗船していた日本人乗組員(5名)の下船・帰国について(4回目)(令和8年4月30日)

 4月30日、ペルシャ湾内の日本関係船舶に乗船していた日本人乗組員5名が帰国しました。

1 これは、29日夜(現地時間29日午後)に当該5名が下船し、日本に向け出国したものです。現地公館が出国を支援しました。

2 なお、この結果、ペルシャ湾内の日本関係船舶の日本人乗組員の人数は計7名となります。政府としては、今後も、状況の推移を見極めながら、邦人保護に万全を期していきます。

日・イラン首脳電話会談(令和8年4月30日)

 4月30日、午後6時25分から約20分間、高市早苗内閣総理大臣は、マスウード・ペゼシュキアン・イラン・イスラム共和国大統領(H.E. Dr. Masoud Pezeshkian, President of the Islamic Republic of Iran)と電話会談を行いました。

1 冒頭、高市総理大臣から、米イラン間の協議が早期に再開され、最終的な合意に至ることを強く期待していることを伝えました。

2 また、高市総理大臣から、今般、3名の日本人乗組員が乗船する日本関係船舶1隻がホルムズ海峡を無事通過したことは、邦人保護の観点からも、前向きな動きとして受け止めていると伝えるとともに、日本やアジア諸国を含むすべての国の船舶について、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が一日も早く確保されるよう改めて強く求めました。

3 これに対し、ペゼシュキアン大統領からは、今後の見通しも含め、イラン側の考えについて説明があり、両首脳は今後も緊密な意思疎通を続けていくことで一致しました。

日・イラン外相電話会談(令和8年5月2日)

 5月2日午後8時45分(日本時間5月3日午前2時45分)から20分間、茂木敏充外務大臣は、訪問先のケニアにおいて、先方の求めに応じ、セイエド・アッバス・アラグチ・イラン・イスラム共和国外務大臣と電話会談を行いました。

1 冒頭、アラグチ大臣から、米イラン間のやりとりを含む現下の情勢や今後の見通しにつき説明がありました。

2 茂木大臣からは、日本としても、停戦が維持された上で、米イラン間の協議が早期に再開され、最終的な合意に至ることを強く期待している旨述べるとともに、イランにも最大限の柔軟性を発揮するよう求めました。

3 また、茂木大臣から、日本を含む全ての国の船舶がホルムズ海峡を自由で安全に通過できることを重視しているとしつつ、先般の日本関係船舶の通過に続き、残る全ての船舶の一日も早い通過が実現するよう改めて働きかけました。

4 両外相は今後も緊密な意思疎通を続けていくことを確認しました。

(以上)

(参考)イラン・中東地域 関連地図
地図作成:編集部
Ranking読まれている記事
  • 24時間
  • 1週間
  • 1ヶ月
bnrname
bnrname

pagetop