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イラン・中東情勢への日本政府の対応(3月30日〜4月14日のまとめ)

  • 日本の防衛

2026-4-15 08:16

 令和8(2026)年2月28日(土)に発生した米国とイスラエルによるイラン攻撃およびイランによる中東諸国への報復攻撃を受けて、日本政府は中東在留日本人の安全確保、事態の沈静化、国内へのさまざまな影響を最小限にとどめるための取り組みを進めている。

 3月30日(月)から4月13日(月)にかけて、外務省、首相官邸および内閣官房の公式サイトで公表された安全保障関連の主な動きについて、以下にまとめて転載する。※4月15日17:00に更新しました。

〔内容〕
▪3/23 中東情勢に関する関係閣僚会議を設置
▪3/24 邦人等1,160名の出国支援の実施を報告
▪3/30 ペルシャ湾内の日本関係船舶から邦人4名が下船・帰国
▪4/1〜10 高市総理・茂木外相が湾岸諸国・仲介国(クウェート、トルコ、サウジアラビア、パキスタン、イラン、UAE、ヨルダン、オマーン、インド等)と相次いで電話会談、事態の早期沈静化とホルムズ海峡の航行安全への連携を確認
▪4/2 英国主催のホルムズ海峡に関する外相オンライン会合(約40か国)に茂木外相が出席
▪4/3 イラクから邦人15名が帰国
▪4/8 米・イランが2週間の停戦で合意、G7諸国首脳・EUが共同声明で歓迎
▪4/13 高市総理がパキスタン首相と電話会談、米・イラン協議の仲介努力に敬意、ホルムズ海峡の安定回復を強調

※上から下へ時系列順

中東情勢に関する関係閣僚会議の開催について(3月23日)

 令和8年3月23日 内閣総理大臣決裁

1  現下のイラン情勢を受け、関係行政機関の緊密な連携の下、中東情勢に関する情報の収集・共有・提供を適切に行うとともに、中東地域の航行の安全、エネルギーの安定供給等の確保を図るため、中東情勢に関する関係閣僚会議(以下「会議」という。)を開催する。

2  会議の構成は、次のとおりとする。ただし、議長は、必要があると認めるときは、関係者の出席を求めることができる。
 議 長 内閣官房長官
 構成員 外務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣

3  会議の庶務は、経済産業省及び国土交通省の協力を得て、内閣官房において処理する。

4  前三項に定めるもののほか、会議の運営に関する事項その他必要な事項は、議長が定める。

 附則

1  この規程は、令和8年3月24日から実施する。

2  この規程の効力は、閣僚会議等の開催等に係る規程の見直しについて(令和8年1月20日内閣総理大臣決裁)第1項から第3項までの規定の例によるものとする。

第1回 中東情勢に関する関係閣僚会議(3月24日09:20~9:35)

※安全保障・外交関連の話題を中心に抜粋します。公表された全文・全資料は記事末のリンク先からご覧ください。

中東情勢に関する関係閣僚会議(首相官邸 公式サイト)

 令和8年3月24日、高市総理は、総理大臣官邸で中東情勢に関する関係閣僚会議に出席しました。会議では、中東情勢をめぐる状況等について議論が行われました。総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「皆様、お疲れ様です。ホルムズ海峡における航行の安全の確保を含む中東地域の平和と安定の維持は、エネルギーの安定供給の観点も含め、日本を含む国際社会にとって極めて重要です。事態の早期沈静化に向けて、引き続き様々な機会を捉え、関係国と様々なレベルで緊密に意思疎通し、必要なあらゆる外交努力を行っていく考えです。

 先週のトランプ大統領との首脳会談でも、緊迫した状況が続くイラン情勢について、事態を一刻も早く沈静化させ、ホルムズ海峡における航行の安全、エネルギーの安定供給を確保することの重要性を確認しました。特に、原油の安定供給については、米国産原油の生産拡大に日米で共に取り組んでいくことを確認するとともに、米国から調達する原油を備蓄する共同事業を実現したい旨をお伝えしました。

 邦人保護の観点からは、これまでに、イラン及びイスラエルから隣国への陸路退避に加え、湾岸諸国から日本へ合計6便の政府チャーター機を運航し、計1,160名の希望者全員の邦人等の出国を支援しました。なお、イラン当局に拘束された邦人のうち1名は、在イラン日本国大使館の支援の下、今月20日にイランを出国し、22日に帰国済みです。

 関係大臣におかれましても、事態の早期沈静化を図り、エネルギーの安全保障を含む中東地域の平和と安定に向けて取り組むべく、引き続き緊張感とスピード感をもって対応に当たっていただくようお願いいたします。(後略)」

中東情勢に関する関係閣僚会議 配布資料(内閣官房 公式サイト)

中東情勢に関する関係閣僚会議(第1回)での外務省配布資料
中東情勢に関する関係閣僚会議(第1回)での国土交通省配布資料

ペルシャ湾内の日本関係船舶に乗船していた日本人乗組員4名の下船・帰国について(3月30日)

 3月30日、ペルシャ湾内の日本関係船舶に乗船していた日本人乗組員4名が帰国しました。

1 これは、同日未明(現地時間3月29日夜)に当該4名が下船し、日本に向け出国したものです。現地公館と海外緊急展開チーム(ERT)要員1名が、出国を支援しました。

2 なお、この結果、ペルシャ湾内の日本関係船舶の日本人乗組員の人数は計20名となります。政府としては、今後も、状況の推移を見極めながら、邦人保護に万全を期していきます。

第2回 中東情勢に関する関係閣僚会議(3月31日09:20~9:30)

※安全保障・外交関連の話題を中心に抜粋します。公表された全文・全資料は記事末のリンク先からご覧ください。

中東情勢に関する関係閣僚会議(首相官邸 公式サイト)

 令和8年3月31日、高市総理は、総理大臣官邸で第2回中東情勢に関する関係閣僚会議に出席しました。会議では、中東情勢をめぐる状況等について議論が行われました。総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

 「お疲れ様でございます。先週に続き、第2回の開催になります。関係大臣におかれましては、すでに緊張感とスピード感を持って様々な取組をしていただいていること、感謝をいたします。

 私自身、先週の本閣僚会議の後、マーシャル、マレーシア、フィリピンの各首脳と電話会談を行いました。ホルムズ海峡の安全な航行に関する『共同声明』への参加を呼びかけ、マーシャルからは参加表明をいただきました。

 25日には、IEA(国際エネルギー機関)のビロル事務局長と面会をしました。追加的な協調放出の可能性も含めて、緊密な連携を継続していくことについて確認をしました。本日この後はインドネシア、明日にはフランスの各首脳と会談を行う予定です。

 ホルムズ海峡における航行の安全の確保を含む中東地域の事態の早期沈静化に向けて、様々な機会を捉え、関係国と様々なレベルで緊密に意思疎通をし、あらゆる必要な外交努力を行っていく考えです。そして、今後も邦人保護も含め、緊張感をもって対応していきます。(後略)」

中東情勢に関する関係閣僚会議(第2回)配布資料(内閣官房 公式サイト)

中東情勢に関する関係閣僚会議(第2回)での外務省配布資料

日・クウェート外相電話会談(4月1日)

 4月1日、午後4時40分から20分間、茂木敏充外務大臣は、ジャッラーハ・ジャービル・アル・サバーハ・クウェート国外務大臣と電話会談を行いました。

1 冒頭、茂木大臣から、現下の中東情勢を受け、クウェートにおける死傷者の発生や石油施設を含む民間施設等で生じている被害についてお見舞いを述べるとともに、クウェートをはじめとする湾岸諸国への連帯の意を示しました。

2 また、今何よりも重要なのは事態の早期沈静化であり、日本として、クウェートとも連携しつつ、あらゆる外交努力を継続していく考えであるとしつつ、日本の立場や取組を説明しました。

3 さらに、邦人の安全確保、出国支援におけるクウェートの協力に対する謝意を表しつつ、引き続き協力を求めました。

4 これに対しジャッラーハ外務大臣から、対話を通じた外交による問題解決の重要性が強調されるとともに、事態の早期沈静化のために日本とも連携していきたい旨の発言がありました。また、日本人の安全確保、出国支援についても引き続き全面的に協力していきたいとの発言がありました。

5 両大臣は、ホルムズ海峡の安全な航行を含む中東地域の平和と安定、そしてエネルギーの安定供給、重要物資供給の安定確保のために引き続き連携していくことで一致しました。

日・トルコ外相電話会談(4月1日)

 4月1日、午後7時30分から20分間、茂木敏充外務大臣は、ハーカン・フィダン・トルコ共和国外務大臣と電話会談を行いました。

1 茂木大臣から、現下の中東情勢の悪化を深刻に懸念しているとした上で日本の立場や取組を説明しました。また、トルコがパキスタン、エジプト、サウジアラビア等と共に外交的解決に向けて努力していることに敬意を表するとともに、事態の早期沈静化に向けて、トルコを含む関係国と緊密に連携していきたい旨述べました。

2 これに対し、フィダン外相から、対話を通じた外交的解決を達成することが地域と国際社会の利益につながるとの思いから外交努力を行っており、トルコとしては事態の早期沈静化のために引き続き尽力していく、中東地域の平和と安定のために日本とも緊密に連携していきたい旨の発言がありました。

3 両外相は、引き続き、意思疎通を継続していくことで一致しました。

日・サウジアラビア外相電話会談(4月2日)

 4月2日、午後6時50分から20分間、茂木敏充外務大臣は、ファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード・サウジアラビア外務大臣と電話会談を行いました。

1 冒頭、茂木大臣から、緊迫した情勢が続いている中で、イランの攻撃によるサウジアラビアにおける被害が拡大していることについてお見舞いを述べました。また、茂木大臣から、ファイサル外相自ら仲介による外交的解決に向けて尽力されていることに敬意を表するとともに、日本としても事態の早期沈静化に向け、外交努力を続けており、引き続きサウジアラビアとも協力したい旨述べました。さらに、茂木大臣から、ホルムズ海峡が事実上閉鎖されている中、サウジアラビアが市場へのエネルギー供給に最大限尽力していることについて謝意を述べました。

2 これに対し、ファイサル外務大臣から、サウジアラビアとしても外交的解決を図るべく各国と共に仲介努力を続けているとして、今後の見通し等について説明が行われました。

3 両大臣は、事態の早期沈静化に向けて緊密に連携していくこと、及び、エネルギーの安定供給の観点を含め、ホルムズ海峡及びバブ・エル・マンデブ海峡の航行の安全の重要性について一致しました。

ホルムズ海峡に関する外相オンライン会合(4月2日)

 4月2日、午後8時から、英国の主催によるホルムズ海峡に関する外相オンライン会合が開催され、茂木敏充外務大臣が出席しました。

1 会合では、各国・国際機関からの参加者が、3月19日に英・仏・独・伊・蘭・日で発出されたホルムズ海峡に関する首脳共同声明の立場を確認し、ホルムズ海峡における航行の安全の確保に向けた外交的取組に関する議論を行いました。

2 茂木大臣からは、日本として、事態の早期沈静化の重要性を改めて強調しました。また、日本の船舶を含め、ペルシャ湾内に留め置かれている全ての船舶及び船員の安全の確保のために、日本はIMOで安全な海上回廊の設置を提案していることを説明し、各国の協力を呼びかけました。さらに、エネルギーの安定供給のためにも、各国がそれぞれできる取組を行っていくことの重要性を強調しました。

3 各国・国際機関の参加者からはそれぞれの取組について説明があり、今後も緊密に連携していくことで一致しました。

茂木外務大臣会見記録(4月3日14時23分〜)

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文は記事最下段のリンク先をご覧ください。

イラン情勢(トランプ大統領演説の受け止め等)

【記者】
 中東のイラン情勢について伺います。トランプ米国大統領は2日の演説で、対イラン作戦を速やかに終わらせるとした一方で、イランは戦闘継続を宣言しており先行きが不透明となっています。演説の受け止めと、また、今後どのように事態の早期沈静化に取り組むか、改めて伺います。また、昨日には、英国主催のホルムズ海峡に関する会合も開かれましたが、日本の主張とどのような議論があったか伺います。よろしくお願いします。

【茂木外務大臣】
 トランプ大統領が昨日、日本時間で言いますと、10時から大体20分間にわたります演説でありますが、演説の中で、米国の今回の行動の目的であったり、また、現状、そして、今後の見通しについて説明をされていたと思います。
 我が国としては、対話を通じた問題解決、これが重要であると考えておりまして、トランプ大統領が演説でも言及しているイランとの協議、これが良い方向に向かうことを期待いたしております。
 私も、今週、仲介しております4か国、その中のトルコ、そして、サウジアラビアの外相とそれぞれ、電話会談を行って意見交換したところでありますが、引き続き、仲介努力を続けていくということで、日本とも連携していこうという話もさせていただいたところであります。
 緊迫した情勢が続いている中で、何よりも今大切なことは、繰り返しておりますけれど、事態の早期沈静化ということでありまして、こうした観点から我が国として、関係国と意思疎通を重ねてきておりますし、これからもそうしていきたいと思っております。
 そして、昨晩のホルムズ海峡に関する外相オンライン会合、大体40か国ぐらいが参加をしたわけでありますが、私からは、事態の早期沈静化の重要性、改めて強調した上で、日本の船舶含めまして、ペルシャ湾内に留め置かれている全ての船舶、及び船員の安全を確保するための、我が国の提案を受けて、今、IMOにおいて、安全な海上回廊といった枠組みの策定を奨励する決定が行われました。このことを紹介して、各国の協力を呼びかけたところであります。
 各国・国際機関の参加者からも、それぞれの取組について説明がありまして、IMOもその中に入っておりますけれど、今後も緊密に連携していくということで一致したところであります。

イラン情勢(諸外国への働きかけ)

【記者】
 先ほど言及していただいた部分と一部重複するんですけれども、茂木大臣は、昨日のサウジアラビア、水曜日にはクウェート、トルコと電話協議を相次いでやっておられます。また、高市総理は日米首脳会談で、諸外国に働きかけてしっかりと応援したいと述べており、総理自身も電話協議等をやっておられるかと思います。日本政府として、こういった外交努力を続ける狙いや意図というのを、改めてちょっと詳しくお伺いできればと思います。

【茂木外務大臣】
 今般の攻撃開始、2月28日から1か月以上がたつところでありますが、緊迫した情勢が続いておりまして、何度も強調しておりますが、今、何よりも大切なことは、事態の早期沈静化を図っていくということでありまして、こうした観点から、我が国として、関係国と意思疎通を重ねているところであります。
 私自身、事態の発生直後から、G7諸国であったり、湾岸諸国、やっていないのはバーレーンですか、ほぼすべての国、また当事国、米国は訪問させていただきましたし、さらには、イスラエル、そして、イランのアラグチ外相とは2回会談を重ねてきておりまして、今週に入ってからも、クウェート、トルコ等々と電話会談を行ったところであります。
 昨日には、米・イラン間の仲介役を行っているサウジアラビアのファイサル外相本人が、イスラマバードの会議にも出席をしているということでありまして、電話会談を行いまして、事態の早期沈静化に向けて緊密に連携していくこと、そして、エネルギーの安定供給の観点も含めて、ホルムズ海峡、そして、今、サウジアラビアは東側から西側にパイプラインを通して、紅海を通ったルートで石油を供給すると、こういう形で、バブ・エル・マンデブ海峡の航行の安全性、この二つについて、極めて重要であるということで一致を見たところであり、また、先ほど申し上げましたが、英国主催のホルムズ海峡に関する外相オンライン会合にも出席しまして、各国で連携も確認をさせていただきました。
 今後も、我が国として、引き続き、関係国や国際機関を含めた国際社会と緊密に連携しながら、あらゆる外交努力を行っていきたいと思っております。米国との間では、日本は同盟関係にあるわけであります。そしてまた、イスラエル、さらにはイランとも、長年にわたる関係を維持してきております。さらに、エネルギー関係も含めて、湾岸諸国等々とも深いつながりというのがあるわけでありまして、そういった日本の立場、また率直に意見交換できる、そういった様々なルートがあるわけでありまして、そういったものも生かしながら、事態の早期沈静化に向けて、日本としてやれることはすべてやっていこうと、こういう思いで、今、外交努力を続けてるところであります。

イラクからの邦人の帰国について(4月3日)

 4月3日、イラクから邦人15名が帰国しました。これは、4月1日朝(現地時間同日明け方)に当該15名がイラクを出国し、2日に経由地から日本に向け出発したものです。中東の複数の在外公館が帰国を支援しました。
 政府としては、今後も状況の推移を見極めながら、邦人保護に万全を期していきます。

日・パキスタン外相電話会談(4月6日)

 4月6日、午後4時45分から約30分間、茂木敏充外務大臣は、イスハーク・ダール・パキスタン副首相兼外務大臣と電話会談を行いました。

1 茂木大臣から、現下の中東情勢の悪化を深く懸念しているとした上で、パキスタンが関係各国と共に行っている仲介努力に敬意を表するとともに、事態の早期沈静化が最も大切であるという日本の立場や取組を説明しました。

2 また、茂木大臣から、ホルムズ海峡における航行の安全の重要性について提起し、そのためにパキスタンとも緊密に連携していきたい旨述べました。

3 これに対し、ダール副首相から、現下の中東情勢をめぐるパキスタンの取組について説明があるとともに、事態の沈静化及びホルムズ海峡の航行の安全のために日本とも協力していきたい旨の発言がありました。

4 両外相は、引き続き、意思疎通を継続していくことで一致しました。

日・イラン外相電話会談(4月6日)

 4月6日午後7時から30分間、茂木敏充外務大臣は、セイエド・アッバス・アラグチ・イラン・イスラム共和国外務大臣と電話会談を行いました。

1 冒頭、アラグチ外相から、イラン情勢に関する現状やイランの立場について説明がありました。

2 これに対し、茂木大臣から、攻撃の応酬の長期化に深い懸念を表明するとともに、事態の早期沈静化が何よりも重要という日本の一貫した立場を改めて強調しました。また、現在関係国間で行われている外交的取組に真摯に向き合うよう求めました。加えて、ホルムズ海峡における日本関係船舶を含む全ての船舶の安全が確保されるよう強く求めました。

3 また、茂木大臣から、イラン国内で拘束されている邦人1名の早期解放を改めて要請しました。これに対し、アラグチ外相からは要請を重く受け止める旨の返答がありました。

4 両外相は、事態の早期沈静化に向け、引き続き意思疎通を継続していくことで一致しました。

茂木外務大臣会見記録(4月7日18時09分〜)

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文は記事最下段のリンク先をご覧ください。

イラン情勢(日・イラン外相電話会談等)

【記者】
 大臣は、昨日、イランのアラグチ外相と3度目の電話会談をされました。意思疎通を継続できていることの意義を伺います。また、仲介努力を続けているパキスタンとも電話会談をされましたが、米・イラン間の停戦交渉に期待することも併せて伺います。よろしくお願いします。

【茂木外務大臣】
 アラグチ大臣とは、今回の事態、2月28日に発生してから、昨日で3回目ということになるわけでありますけれど、イラン情勢で、今、最も重要なことは、事態の早期沈静化ということでありまして、昨日も、アラグチ大臣と電話会談を行いまして、日本の考えを伝え、現在、関係国が仲介している外交的取組、これに真摯に向き合うように、直接求めたところであります。
 また、昨日はそれに先立ちまして、仲介努力を行っておりますパキスタンのダール副首相兼外相とも電話会談を行いまして、仲介努力の状況であったりとか、また、早期沈静化に向けて、緊密に意思疎通していくということで一致を見たところであります。
 我が国としては、一貫して対話を通じた問題解決が重要であると、このように考えてきているところでありまして、米国とイランとの協議、これが進展することを期待しているところであります。
 現在、イランと率直に、直接やり取りができる国というのは少ないのではないかなと、こんなふうに考えておりまして、我が国としては、長年の関係もあり、イランと直接に、やり取りできるこういう関係も生かしながら、また国際社会等と連携しながら、事態の早期沈静化に向けて、あらゆる外交努力を行っていきたいと思っているところであります。
 もちろん、ホルムズ海峡の安全な通航等々についても、大変重要なことだと考えておりまして、そのことも含めて、早期の実現を図っていきたいと、こんなふうに考えております。

日・エジプト外相電話会談(4月7日)

 4月7日、午後7時00分から40分間、茂木敏充外務大臣は、バドル・アブデルアーティー・エジプト・アラブ共和国外務・国際協力・国外移住者大臣と電話会談を行いました。

1 茂木大臣から、現下の中東情勢の悪化を深刻に懸念しているとした上で日本の立場や取組を説明しました。また、エジプトがパキスタン、トルコ、サウジアラビアと共に外交的解決に向けて努力していることに敬意を表するとともに、事態の早期沈静化に向けて、エジプトとも緊密に連携していきたい旨述べました。

2 これに対し、アブデルアーティー外相から、外交的解決に基づく緊張緩和こそが現下の危機に対処する唯一の手段であるとして、エジプトも事態の早期沈静化のために日本とも緊密に連携していきたいとの発言がありました。

3 両外相は、ガザ情勢の安定化や日エジプト二国間の関係強化についても協力していくことを確認すると共に、引き続き、意思疎通を継続していくことで一致しました。

日・アラブ首長国連邦(UAE)首脳電話会談(4月7日)

 4月7日午後9時00分から約30分間、高市早苗内閣総理大臣は、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン・アラブ首長国連邦(UAE)大統領(H.H. Sheikh Mohamed bin Zayed Al-NAHYAN, President of the United Arab Emirates)と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭、高市総理大臣から、UAEがイランによる攻撃で特に大きな被害を受けていることにお見舞いを述べました。また、我が国として、イランに対し、周辺国への攻撃やホルムズ海峡の航行の安全を脅かす行為の停止を強く求めてきていることを説明しました。

2 さらに、高市総理大臣から、原油の安定供給に向け、引き続きの協力をお願いしたい旨述べました。また、邦人の安全確保、出国支援におけるUAEの支援に対し謝意を表しました。

3 これに対し、ムハンマド大統領からは、イラン情勢についてのUAEの立場につき説明がありました。

4 両首脳は、事態の早期沈静化及びホルムズ海峡の安定に向け連携していくことで一致しました。

5 また、両首脳は、先般、日・UAE包括的経済連携協定(CEPA)が交渉妥結に至ったことを歓迎し、AIや宇宙、先端技術等を含む幅広い分野で二国間協力を進展させることで一致しました。

北村外務報道官会見記録(4月8日15時45分〜)

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文は記事最下段のリンク先をご覧ください。

中東情勢(2週間の停戦)

【記者】
 中東の状況について、今日の夜に大きい変化がありまして、トランプ大統領は、事前にいわゆる期限を示したんですけれども急に変わって、外務省としては、どう受け止めているのでしょうか。

【北村外務報道官】
 これについては、既に官房長官から今日お答えをしているかと思いますが、これまで、外務省としては、ホルムズ海峡の航行の安全確保、それを含む事態の早期沈静化というものを求めて、外交努力を行い、関係国間の外交努力を支持してきたところですけれども、今回、イラン、米国が行ったそれぞれの発表、交渉を行うという発表を前向きに受け止め、これを歓迎しているところです。
 これは繰り返し申し上げてきておりますけれども、今、最も重要なことは、ホルムズ海峡の航行の安全の確保、それとともに、事態の早期沈静化を図るということですので、引き続き外務省としては、外交努力を続ける、関係国と広く協議・連携をしてまいりたいと考えているところです。

日・イラン首脳電話会談(4月8日)

 4月8日、午後4時から約25分間、高市早苗内閣総理大臣は、マスウード・ペゼシュキアン・イラン・イスラム共和国大統領(H.E. Dr. Masoud Pezeshkian, President of the Islamic Republic of Iran)と電話会談を行いましたところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭、高市総理大臣から、事態の沈静化が何より重要であることを始めとする、我が国の立場について改めて伝えました。

2 その上で、高市総理大臣から、今般の米国・イラン双方の発表を前向きな動きとして歓迎しているとした上で、最も重要なことは、今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られることであり、外交を通じて、最終的な合意に早期に至ることを期待している旨述べました。

3 さらに、高市総理大臣から、ホルムズ海峡は世界の物流の要衝、そして国際公共財である旨強調し、日本関係船舶を含むすべての国の船舶の航行の安全確保を求めました。

4 また、高市総理大臣から、4月6日に保釈された邦人1名をめぐる問題の早期解決を要請しました。

5 これに対し、ペゼシュキアン大統領からは、イラン側の立場について説明がありました。

6 両首脳は、引き続き意思疎通を継続していくことで一致しました。

日・ヨルダン外相電話会談(4月8日)

 4月8日、午後5時から20分間、茂木敏充外務大臣は、アイマン・サファディ・ヨルダン・ハシェミット王国副首相兼外務・移民大臣と電話会談を行いました。

1 両大臣は、現下の中東情勢につき意見交換を行い、本日、米国とイランの間で一時停戦が発表されたことを前向きな動きとして歓迎しつつ、話し合いを通じて最終的な合意に早期に至ることの重要性につき認識を共有しました。さらに、事態の沈静化が実際に図られていくよう、引き続き日・ヨルダンで緊密に意思疎通していくことで一致しました。

2 また、茂木大臣から、地域における邦人の安全確保に際するヨルダンの協力に対し謝意を表しつつ、引き続きの協力を求めました。これに対し、サファディ大臣からは、邦人の安全確保についても引き続き協力を惜しまない旨の発言がありました。

3 さらに、両大臣は、ホルムズ海峡の安全な航行や、ガザ再建支援を始めとするパレスチナ情勢やレバノン情勢、二国間協力の在り方についても議論し、今後も緊密に意思疎通していくことで一致しました。

中東における紛争に関する共同声明(4月8日)

(仮訳)
 🇫🇷マクロン仏大統領、🇮🇹メローニ伊首相、🇩🇪メルツ独首相、🇬🇧スターマー英首相、🇨🇦カーニー加首相、🇩🇰フレデリクセン・デンマーク首相、🇳🇱イェッテン蘭首相、🇪🇸サンチェス西首相、🇪🇺フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、🇪🇺コスタ欧州理事会議長及び🇯🇵高市総理大臣

 我々は、本日、米国とイランの間で合意された2週間の停戦を歓迎する。

 この重要な合意の実現に尽力したパキスタン及び関係するすべてのパートナーに感謝する。

 今後の目標は、数日以内に、迅速かつ恒久的な戦争終結に向けた交渉を行うことである。これは外交的手段によってのみ達成し得るものである。

 我々は、実質的な交渉による解決に向けた迅速な進展を強く促す。

 これは、イランの民間人を保護し、地域の安全を確保するために極めて重要である。また、深刻な世界的なエネルギー危機を回避することにもつながる。

 我々は、こうした外交的努力を支持する。この目的のため、我々は米国及びその他のパートナーと緊密に連携している。

 我々は、レバノンにおいてを含め、すべての当事者に対し、停戦の履行を求める。

 我々の各国政府は、ホルムズ海峡における航行の自由を確保するために貢献する。

日・オマーン外相電話会談(4月9日)

 4月9日、午後4時50分から20分間、茂木敏充外務大臣は、バドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディ・オマーン外務大臣と電話会談を行いました。

1 冒頭、茂木大臣から、今般の米国・イラン双方の発表を前向きな動きとして歓迎しているとした上で、最も重要なことは、今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られることであり、外交を通じて、最終的な合意に早期に至ることが重要である旨述べました。

2 また、茂木大臣から、ホルムズ海峡は世界の物流の要衝、そして国際公共財であり、日本関係船舶を含むすべての国の船舶の航行の安全確保が重要である旨強調し、そのためにオマーンとも緊密に連携していきたい旨述べました。

3 これに対し、バドル大臣からは、オマーンは一貫して対話を通じた外交手段による問題解決の重要性を訴えてきたとしつつ、ホルムズ海峡の安全な航行を含め事態の安定化に向け、引き続き日本とも協力していきたい旨の発言がありました。

4 両大臣は、今後も緊密に意思疎通していくことで一致しました。

第3回 中東情勢に関する関係閣僚会議(4月10日8時00分〜8時15分)

※安全保障・外交関連の話題を中心に抜粋します。公表された全文・全資料は記事末のリンク先からご覧ください。

中東情勢に関する関係閣僚会議(首相官邸 公式サイト)

 令和8年4月10日、高市総理は、総理大臣官邸で第3回中東情勢に関する関係閣僚会議に出席しました。会議では、中東情勢をめぐる状況等について議論が行われました。総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「お疲れ様でございます。今回は、全閣僚にお集りをいただきました。国民の皆様の命と暮らしと経済活動に影響が出ないよう、これまで以上の緊張感とスピード感を持って対応に当たってまいりましょう。

 先週の本閣僚会議の後、インドネシア、フランスとの首脳会談に加え、アラブ首長国連邦(UAE)の首脳とも電話会談を行い、事態の早期沈静化、ホルムズ海峡の安定、そして重要物資の安定供給に向けて、連携していくことで一致しました。

 8日には、イランとの首脳会談も行い、米・イラン間の停戦の発表を踏まえ、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態沈静化が実際に図られるということが最も重要であり、外交を通じて最終的な合意に早期に至ることを期待する旨お伝えしました。

 あわせて、イラン現地当局に拘束されていた邦人につきまして、日本政府からの度重なる要請を受け、1名は3月20日に帰国、もう1名は今月6日に保釈されたということを確認していますが、完全な解決を求めました。

 また、ホルムズ海峡の航行の安全確保については、今月3日から本日までに、日本関係船舶3隻がホルムズ海峡を通過しました。(後略)」

中東情勢に関する関係閣僚会議(第3回)配布資料(内閣官房 公式サイト)

中東情勢に関する関係閣僚会議(第1回)での外務省配布資料

日印外相電話会談(4月10日)

 4月10日、午後1時45分から約20分間、茂木敏充外務大臣は、スブラマニヤム・ジャイシャンカル・インド外務大臣と電話会談を行いました。

1 茂木大臣から、現下の中東情勢を受け、インド国民に死傷者が発生していることについてお見舞いを述べました。また、今般の米国・イラン双方の発表を前向きな動きとして歓迎しているとした上で、最も重要なことは、今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られることであり、米イラン間の協議を通じて、最終的な合意に早期に至ることが重要である、そのためにインドを含む国際社会と緊密に連携していきたい旨述べました。

2 これに対し、ジャイシャンカル外相からは、ホルムズ海峡の航行の安全を含む事態の安定化に向け、引き続き日本とも協力していきたい旨の発言があり、両大臣は、引き続き日印で緊密に意思疎通していくことで一致しました。

3 また、両大臣は、エネルギー・資源供給力の強靱化を図る上で、両国始め多国間の協力を推進していくことで一致しました。

日・パキスタン首脳電話会談(4月13日)

 4月13日午後4時15分から約15分間、高市早苗内閣総理大臣は、シャバーズ・シャリフ・パキスタン・イスラム共和国首相(H.E. Mr. Muhammad Shehbaz Sharif, Prime Minister of the Islamic Republic of Pakistan)と電話会談を行いました。

1 冒頭、高市総理大臣から、イスラマバードで実施された米・イラン間の協議について、シャリフ首相を始めとするパキスタン関係者の仲介努力に敬意を表し、これを支持する旨述べました。最も重要なことは、今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られることであり、協議を通じて、最終的な合意に早期に至ることが重要との我が国の立場を伝えました。

2 また、日本としても、これまで米国及びイラン双方と首脳間の意思疎通を行なってきており、事態の早期沈静化に向け外交努力を重ねてきていることを説明しました。

3 その上で、高市総理大臣から、世界の物流の要衝、そして国際公共財であるホルムズ海峡の安定回復が急務であり、日本やアジア諸国を含むすべての国の船舶につき、自由で安全な航行が一日も早く確保されることが不可欠である旨強調しました。

4 シャリフ首相からは、イスラマバードで行われた米・イラン協議やパキスタンの外交的取組について説明があるとともに、事態の早期沈静化及びホルムズ海峡の航行の安全に向け、引き続き日本と協力していきたい旨の発言がありました。

5 両首脳は、引き続き意思疎通を継続していくことで一致しました。

(以上)

(参考)イラン・中東地域 関連地図
地図作成:編集部
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