小泉防衛大臣が記者会見 ホルムズ海峡多国籍ミッション会合出席、国産ドローン、もがみ型護衛艦輸出、日韓防衛協力ほか(5月12日)
- 日本の防衛
2026-5-14 10:30
令和8(2026)年5月12日(火)08時50分~09時02分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、参議院別館3階防衛省政府控室において、閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
発表事項
今晩、イギリス・フランス共催のホルムズ海峡における多国籍ミッションに関する国防大臣オンライン会合に出席いたします。
ホルムズ海峡は世界の物流の要衝であり、国際公共財です。そして、ホルムズ海峡の安定が一刻も早く回復し、全ての国の船舶の自由で安全な航行が確保されることが不可欠です。今夜の会合では、英・仏をはじめ、関係国とホルムズ海峡の航行の安全確保に関する議論を行いたいと考えています。冒頭は以上、1点です。
記者との質疑応答
国産ドローンの必要性と無人アセット防衛能力の強化
記者 :
新しい戦い方への対応について伺います。ロシアによるウクライナ侵略以降、政府として大量の無人機の活用など、新しい戦い方への対応が求められているかと思います。防衛省では既に、スタートアップ企業への研究開発支援などに取り組んでおられますが、年内に予定される安保三文書の改定に向け、国産ドローンの必要性をどうお考えか教えてください。
大臣 :
ロシアによるウクライナ侵略では、無人機の大量運用や、これに伝統的な砲弾やミサイルを組み合わせた大規模な複合攻撃が展開されるといった、新しい戦い方が出現しています。
我が国においても、人的損耗の局限、長時間連続運用、非対称的な優勢の獲得を可能とする無人アセット防衛能力の強化は我が国の喫緊の課題であり、早期に実践的な運用能力を獲得する必要があると考えています。その強化に当たっては、安価かつ高性能な機体を必要十分な量、取得をすることに加えて、安定的な調達や状況に応じた迅速な改修や整備が可能な体制を構築することが、継戦能力の確保等の観点から重要であり、無人航空機等の大量生産等が可能な生産・技術基盤を国内に構築することが望ましいと考えています。
他方で、現在の国内製の無人航空機については、一般的に、海外製と比べて機体が高額であるとともに、攻撃機能を有するものが存在しないなど、機体性能が限定的であるという現状があると認識をしています。また、昨日の国会でも答弁をしましたが、私もこれまでにスタートアップ、ベンチャーキャピタル、インキュベーターの方々との意見交換を重ねてまいりました。
そうした中で伺っている課題や要望としては、例えば、一部の政府系金融機関において、今なお、武器や武器関連製品の事業に対する投資に制限を設けているため、これらの機関から出資を受けたベンチャーキャピタルも防衛分野に投資できない状況が生じていること。政府調達のプロセス、特に、契約から支払までのリードタイムが長いため、資金体力の少ないスタートアップにおいて、資金繰りの悪化を招いていること。また、国からスタートアップや研究開発を委託する場合に、その企業へ支払われる委託費が企業会計上、売上げとして計上できず、売上規模が実態より小さく見えてしまうこと。こういった声があるものと認識をしています。
無人航空機等は、一般にデュアルユース性の高い分野であり、こうした課題を乗り越えていく上で、経産省との連携が非常に重要であると認識しています。日本成長戦略会議の下に設置され、赤澤大臣と私が共同座長を務める防衛産業ワーキンググループにおいて、小型無人航空機への投資を促進するための官民投資ロードマップを作成したところですので、こうした取組を含めて、引き続き、両省で緊密に連携するとともに、三文書の改定に係る議論も踏まえながら、無人機の国内生産・技術基盤の構築に向けて取り組んでいきたいと思いますし、先ほど私が申し上げた、昨日の答弁で紹介したようなことなどは、防衛省自身で変わらなければいけないところ、こういったことは速やかに対応したいと思います。
高市首相の秘書による中傷動画問題
記者 :
高市首相が11日の参院決算委員会で、自らの陣営が昨年の自民党総裁選で、他候補を中傷する動画をSNSに投稿したとする週刊文春の報道をめぐり、他の候補に関するネガティブな動画を作成して発信するといったことは一切行っていないと報告を受けている、私は秘書を信じている、といった旨述べられました。中傷動画には、小泉大臣についての内容も含まれているとされていますが、把握されている事実関係と、この秘書を信じると言う高市首相の発言についての受け止めを聞かせてください。
大臣 :
まず、週刊誌報道に基づいて防衛大臣の記者会見でお答えする必要はないと思っています。
愛知県犬山市・入鹿池T-4練習機墜落事故から1年
記者 :
今週の14日で、愛知県犬山市の入鹿池に航空自衛隊のT-4練習機が墜落した事故から1年が経ちます。その後の事故原因の調査状況を教えてください。また、地元の農家や貸しボート事業者など地元向けの補償に関してどう対応するか、お考えを聞かせてください。
大臣 :
明後日、5月14日で、第5航空団所属のT-4練習機の墜落事故が発生して1年となります。我が国を守り、国民の期待と信頼に応えるべく任務に精励された2名の搭乗員に対して、改めて哀悼の意を表すとともに、御家族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。
事故調査については、航空幕僚監部に設置された事故調査委員会において、回収した部品の分析結果等を踏まえ、事故の原因や再発防止策を検討しているところであり、事故調査が完了した後、速やかに調査結果についてお知らせいたします。
賠償については、事故発生を受けた営業自粛に伴う地元事業者への休業賠償を行った他、ワカサギ釣り客の数の減少に係る賠償の御要望をいただいているところであり、今後、申出のあった被害の状況や事故との因果関係等を確認の上、関係法令に基づき、適切に対応してまいります。
地域の皆様には多大なる御心配、そして、御不便をおかけしましたことを改めて深くお詫び申し上げるとともに、事故発生直後より地域の皆様から多大なる御協力を賜りましたことを心から感謝申し上げます。
ニュージーランドへの「もがみ」型護衛艦輸出の可能性
記者 :
ニュージーランドのペンク国防相はですね、フリゲート艦の後継候補として、海上自衛隊の「もがみ」型護衛艦能力向上型と英国のフリゲート艦を検討していると明らかにしました。大臣の受け止めとともにですね、「もがみ」型の長所をどのように認識し、ニュージーランド側にどのように働きかけていく方針か伺います。あわせて、日本の安全保障におけるニュージーランドの重要性についての認識、ニュージーランドとの連携を強化していく意義を教えてください。
大臣 :
ニュージーランド国防省は、5月7日のプレスリリースにおいて、アンザック級フリゲートの後継艦の候補の1つとして、海上自衛隊の「もがみ」型護衛艦の能力向上型を挙げた、そういったことは承知しています。ニュージーランドはオーストラリアとの相互運用性の強化を重視していると承知しており、オーストラリア海軍による次期汎用フリゲートの選定結果も踏まえ、今般、「もがみ」型護衛艦の能力向上型が候補になったものと認識をしています。
また、お尋ねの「もがみ」型護衛艦の能力向上型の長所について申し上げれば、高い省人性、優れたステルス性、アメリカ空母機動部隊に随伴できるスピード、信頼性の高い武器システムなどと認識をしています。我が国としては、仮に、ニュージーランドが「もがみ」型護衛艦の能力向上型を選定すれば、日ニュージーランドの防衛協力の深化につながることはもちろんのこと、海上自衛隊のみならず、オーストラリア海軍を含む3か国間の相互運用性及び相互互換性の向上につながる可能性があると考えます。
我が国とニュージーランドは、基本的価値を共有しており、インド太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、重要な戦略的協力パートナーです。私自身も双方の調整が整えば、シャングリラ会合において、ペンク国防大臣との会談の機会が得られることを期待をしています。
また、ニュージーランドとオーストラリアは同盟国として緊密な協力関係にあります。このため、日本・オーストラリア・ニュージーランドの3か国の連携強化は、インド太平洋地域における抑止力強化の観点から有益であると考えられます。
このように、ニュージーランドへの装備移転は、地域の同志国との連携強化に資するものであり、今後、ニュージーランド政府に対して必要な情報提供を行うとともに、オーストラリア政府とも連携しながら、積極的に対応していきたいと思います。
なお、今回、フィリピンにも護衛艦の「あぶくま」型の話を正式に議題としてこれから進めていこうと話をさせていただきましたけれども、将来のこのインド太平洋地域の協力の在り方、これを想像したときに、オーストラリアが既に選定をしてくれた「もがみ」型、そしてフィリピンは「あぶくま」型、そしてニュージーランドは「もがみ」と、仮にこういった姿が広がれば、これが「自由で開かれたインド太平洋」の防衛面からの具現化された新たな姿として、私は非常に地域の安全保障環境が、正にずっと装備品の移転が日本にとって望ましい安全保障環境を創出をすると、そういった政策ツールであると申し上げたものが具体化をされる姿というのが、イメージされ易いのではないかなというふうに思います。ペンク大臣とも積極的に議論と、また意見交換をしていきたいと思います。
在日米軍駐留経費交渉について
記者 :
本年度は、在日米軍駐留経費に関する特別協定の改定時期に当たっております。5年前の前回締結時よりも安全保障環境が世界的に厳しくなる中、昨年3月にはアメリカのジョージ・グラス駐日大使が日本側の更なる負担増を求めています。今後、大臣も駐留経費の交渉に挑まれると思いますが、在日米軍駐留経費に関する御認識と交渉への意気込みを教えてください。
大臣 :
同盟強靱化予算に係る交渉は、まだ開始しておらず、現時点で何ら決まっていることはありません。その上で、現行の同盟強靱化予算については、日米両政府の合意に基づいて適切に分担されていると考えています。
日韓次官級「2+2」の意義と日韓防衛協力の強化
記者 :
日韓次官級「2+2」について伺います。日韓安全保障対話が5月7日、ソウルで初めて次官級という形で開催され、加野防衛審議官が出席しました。今回の対話の意義と成果について大臣の見解を伺います。あわせて、大臣御自身として日韓の防衛協力の現状をどのように認識し、更なる強化にどのように取り組む方針か伺います。
大臣 :
初めてとなる次官級での開催となった今回の日韓安全保障対話では、北朝鮮への対応を始めとするインド太平洋情勢や中東情勢を含め、日韓両国を取り巻く戦略環境について意見交換を行い、日韓関係の戦略的重要性についての共通認識の下、日韓それぞれの安全保障・防衛政策の方向性について互いに理解を深めました。
また、日韓、日米韓の安全保障協力を含む戦略的な連携を着実に強化していくための方策について模索するため、日韓両国が、引き続き、緊密に意思疎通していくことで一致したところです。さらに、日米韓の連携については、双方は共同訓練を始めとする具体的な安保協力の継続及び強化のため、3か国の外交・防衛当局間でも一層緊密に意思疎通をしていく考えを確認しました。
地域の安全保障環境が厳しさと複雑さを増す中、日韓、日米韓の連携はますます重要です。私も防衛大臣に就任して以降、韓国のアン国防部長官とは既に4回の防衛大臣会談を実施するなど、個人的な親交を深め、信頼関係をより強固にすることができました。日本と韓国の関係は、多様なレベルでの意思疎通を通じて、防衛協力・交流を積極的に推進できるものになりました。1月の横須賀での防衛相会談で両閣僚の相互訪問で一致したところでありますので、次は、私が韓国を訪問すべく調整を行いたいと考えています。引き続き、日韓、日米韓の連携を維持・強化してまいります。
(以上)
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