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DSEI Japan 2025 短報──ボーイング

  • 日本の防衛

2025-5-26 13:05

2025年5月21日から23日まで、千葉県の幕張メッセで開催された、日本で唯一の統合型防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan 2025」。主要な出展ブースの展示内容を、個別にお届けする。竹内 修 TAKEUCHI Osamu

 F-15戦闘機やKC-46A空中給油・輸送機といった防衛部門だけでなく、787旅客機などの民間機でも日本と密接な関係にあるザ・ボーイング・カンパニー、いわゆるボーイングは、日本で開催されるこの種のイベントには不可欠な存在と言えよう。

 航空機メーカーのイベントにおける展示は、実物や大型模型などがずらりと並ぶ光景がイメージされがちだが、ボーイングは2024年10月に開催された「2024国際航空宇宙展」に引き続き、来場者が関心を持った製品のブロックを挿入すると、ディスプレイに詳細な説明画像が映し出されるシステムを中心とする展示を行った。

 このスタイルは日本ではまだ馴染みがないが、海外のエアショーなどでは普及しつつあり、ボーイングはエアショーやDSEI JAPANのようなイベントの展示のあり方の変革にも、率先して取り組んでいくものと思われる。

ボーイングブースに置かれたディスプレイ型展示システム。来場者が関心を持った製品のブロックを挿入すると、その製品の詳細な説明画像が映し出される仕組みになっている。写真で映し出されているのはT-7練習機。何も置かないとデモ画面になる 写真:竹内 修
唯一模型の展示が行われたMQ-28「ゴーストバット」。ボーイングは同機を含めた自律型UASの開発にも注力していく方針を示している 写真:竹内 修

 メディア向けの説明会は充実しており、衛星コンステレーションシステムの「MILSATCOM」、KC-46A、オーストラリア政府と共同で開発を進めている軍用UAS(無人航空機システム)のMQ-28「ゴーストバット」、アメリカ空軍に採用されたF-15の最新型であるF-15EX「イーグルⅡ」に関する詳細な説明が行われた。

 日本人関係者にとって最も機になるKC-46に関しては、アメリカ空軍が受領を拒否した原因となった機体の亀裂は深刻なトラブルではなく、アメリカ空軍への納入が再開されたこと、航空自衛隊への5号機と6号機は、予定通り2025年内に行われる見込みであることなどが明らかにされている。

KC-46A空中給油・輸送機について説明を行ったシニアセールスマネージャーのショーン・マーティン氏。航空自衛隊に引き渡し済みのKC-46Aには、アメリカ空軍が受領を拒否した原因の亀裂は発生していないことも明らかにした 写真:竹内 修
竹内 修TAKEUCHI Osamu

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書に『最先端未来兵器完全ファイル』、『軍用ドローン年鑑』、『全161か国 これが世界の陸軍力だ!』など。

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