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内倉統合幕僚長、第8代統合幕僚長を任命され着任の挨拶(8月1日)

  • 日本の防衛

2025-8-6 11:17

 統合幕僚監部は令和7(2025)年8月1日(金)、同日付けで第8代統合幕僚長を任命された内倉浩昭(うちくら・ひろあき)統合幕僚長の着任について以下のように公表した。

内倉浩昭統合幕僚長の着任について

 8月1日、内倉浩昭統合幕僚長は、中谷防衛大臣より、第8代統合幕僚長を任命されました。「大変光栄であると同時に、その責任の重さに身が引き締まる思いであり、国防の任務に真摯し取り組んでいく」と所信を表明され、5つの柱を重視事項として掲げられました。

写真:統合幕僚監部
写真:統合幕僚監部

統合幕僚長-着任のご挨拶

 統合幕僚監部のWEBサイトをご覧の皆様、本日(令和7年8月1日)付けを持ちまして、中谷防衛大臣より、第8代統合幕僚長という大きな役割を任されました、内倉浩昭です。このような名誉ある任命を受け、大変光栄に思うと同時に、その責務の重さに身が引き締まる思いです。これから、覚悟をもって任務に取り組み、日本の安全を守るため全力を尽くします。
 ここで、私の考えの一部をお伝えします。

【今、日本が直面している2つの大きなリスク】
 第一は、地政学的リスクです。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東での軍事衝突、さらにはインド・パキスタンやタイ・カンボジア間での緊張など、世界各地で不安定な状況が続いています。日本周辺でも、中国や北朝鮮の軍事活動が活発化し、ロシアとの連携も強まっています。これらの動きは国際秩序に影響を与え、安全保障環境はこれまでにないほど厳しくなっています。
 第二は、大きな自然災害のリスクです。首都直下地震や南海トラフ地震、台風や豪雨など、予測が難しく、被害が大きくなる災害への備えは、すぐに取り組むべき重要な課題です。
 こうした状況の中、自衛隊員は日本周辺だけでなく、ソマリア沖や南スーダン、宇宙・サイバー空間などでも活動し、日本の安全と国際社会との信頼関係の構築に努めています。日々の厳しい訓練にも励んでおり、彼らの献身に深く感謝しています。
 今年3月には、統合作戦司令部が創設され、統合運用体制が新たな段階に入りました。2027年までに「日本が主体的に侵攻を防ぎ、排除できる態勢」を整えるため、より迅速に防衛力を強化する必要があります。
 かかる観点から、私は「統合幕僚監部と統合作戦司令部を中核とした統合運用体制の最適化と実効性向上」を目標に掲げます。この目標達成に向け、私はアルファベットの“I”(アイ)で始まる5つの柱を重視し、隊務運営を行っていきます。

Integration(一体化)
 防衛省内外での連携を強化し、領域を超えた作戦能力を高めます。

Interoperability(相互運用性)
 日米間の協力を深め、同盟の力を強化します。

Inter-connectivity(連結性)
 欧州とインド太平洋の安全保障を一体と捉え、国際連携を進めます。

Intensity(強度)
 訓練の質を高め、実戦的な能力を強化します。

Innovation(変革)
 AIや無人技術などを活用し、柔軟で創造的な防衛力を築きます。

 私自身も、5つの「I」(一体化・相互運用性・連結性・強度・変革)を常に意識し、率先して行動することで、日本の平和と独立をしっかりと守り、国民の信頼に応えられる防衛体制を築いていきます。また、どんな困難にも冷静に立ち向かい、助けを必要とする人々に寄り添える、思いやりと力を兼ね備えた自衛隊を、つくり上げていきたいと考えています。

 皆様におかれましては、引き続き、自衛隊の活動に対し、深い理解を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

(以上)

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