岩屋外務大臣がクウェートを訪問 中東各国の外相と国際情勢について意見交換(9月1日・2日)
- 日本の防衛
2025-9-4 10:55
外務省は令和7(2025)年9月1日(月)、2日(火)、クウェートを訪問中の岩屋毅(いわや・たけし)外務大臣がサウジアラビア、クウェート、オマーン、カタールの外務大臣と会談したことを公表した。
岩屋外務大臣と各国外相との会談について、安全保障に関わる内容を以下に転載する。
日・サウジアラビア外相電話会談
現地時間9月2日午前11時(日本時間同日午後5時)から約35分間、日・GCC外相会合等出席のためクウェート国を訪問中の岩屋毅外務大臣は、同会合を急遽欠席したファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード・サウジアラビア王国外務大臣(H.H. Prince Faisal bin Farhan Al-Saud, Minister of Foreign Affairs, the Kingdom of Saudi Arabia)と外相電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
● 両外相は、イラン、ガザ、シリア等を含む最近の地域情勢について、率直な意見交換を行いました。
(1)イランについては、岩屋大臣から、本年6月のイスラエル・イランの攻撃の応酬に際し、湾岸諸国が両当事者に自制と対話を呼びかけたことの重要性を指摘するとともに、イラン核問題の対話による解決に向けて日本としても外交努力を続けていく旨述べました。これに対し、ファイサル外相から、イラン核問題の対話を通じた平和的解決を目指す両国の立場は同じである旨述べ、地域の安定化に向けた日本の一層積極的な役割を歓迎し、引き続き連携していきたい旨述べました。
(2)ガザ情勢については、岩屋大臣から、ガザにおける深刻な人道状況への対応の必要性を強調するとともに、「二国家解決」に対する一貫した支持を改めて表明したのに対し、ファイサル外相より、日本の対ガザ支援及び「二国家解決」への一貫した支持を評価する旨述べました。
(3)シリアについては、岩屋大臣から、シリア政府の平和的な移行を目指す姿勢を評価した上で、シリアの独立と主権の尊重の重要性を指摘したのに対し、ファイサル外相からも、シリア政府による政治的解決と国民和解に向けた対話への取組を後押ししていくことの重要性が指摘されました。
● さらに両外相は、インド太平洋情勢についても意見交換しました。
日・クウェート外相会談


現地時間9月1日午後4時45分(日本時間同日午後10時45分)から約50分間、岩屋毅外務大臣は、訪問中のクウェート国において、アブドゥッラー・アリー・アル・ヤフヤ・クウェート国外務大臣(H.E. Abdullah Ali Al-Yahya, Minister of Foreign Affairs of the State of Kuwait)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
● 両外相は、イラン、ガザ等を含む最近の中東情勢について、率直な意見交換を行いました。岩屋大臣は、地域情勢への対応において、クウェートがGCC議長国としても重要な役割を果たしていることに敬意を表しました。パレスチナについては、両外相は、「二国家解決」の実現のため、パレスチナ自治政府(PA)に対する支援を引き続き行っていくことで一致しました。また、イランについては、両外相は、対話を通じた核問題の平和的な解決の重要性について一致しました。
日・オマーン外相会談


現地時間9月1日午後3時45分(日本時間同日午後9時45分)から約40分間、日・GCC外相会合等出席のためクウェート国を訪問中の岩屋毅外務大臣は、バドル・ビン・ハマド・アル・ブーサイーディー・オマーン国外務大臣(H.E. Sayyid Badr bin Hamad al Busaidi, Foreign Minister, the Sultanate of Oman)と外相会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
● 両外相は、イラン、ガザ等を含む地域・国際情勢について、率直な意見交換を行いました。
(1)岩屋大臣から、オマーンが、イラン核問題をめぐる米・イラン間の協議の仲介を含め、地域の緊張緩和に向けて重要な役割を果たしていることに敬意を表しつつ、対話を通じた諸問題の解決に向け連携していきたい旨述べました。これに対し、バドル外相からは、イラン核問題の平和的解決に向けたオマーンの外交努力について説明がありました。
(2)岩屋大臣から、ガザの深刻な人道状況の改善及び「二国家解決」の実現に向けてオマーンとも連携していきたい旨述べました。これに対し、バドル外相からは、地域の安定化に向けた日本の取組を歓迎する旨述べ、中東地域が直面する諸課題は、いずれもパレスチナ問題と関係しており、同問題の公正な解決なくして中東地域の安定は実現し得ない旨発言がありました。
● さらに両外相は、インド太平洋情勢についても意見交換を行い、双方は、地域・国際社会の諸課題の平和的解決に向けて、一層緊密に意思疎通していくことで一致しました。
岩屋外務大臣とムライヒー・カタール外務担当国務大臣との会談


現地時間9月1日午前11時30分(日本時間同日午後5時30分)から約30分間、日・GCC外相会合等出席のためクウェート国を訪問中の岩屋毅外務大臣は、スルタン・ビン・サアド・アル・ムライヒー・カタール国外務担当国務大臣(H.E. Sultan bin Saad Al-Muraikhi, State Minister for Foreign Affairs, the State of Qatar)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
● 両大臣は、イラン、ガザ、シリア等を含む最近の地域情勢について、率直な意見交換を行いました。岩屋大臣は、本年6月のイスラエル・イランの攻撃の応酬に際し、湾岸諸国が両当事者に自制と対話を呼びかけたことの重要性、ガザにおける深刻な人道状況への対応の必要性及びシリアの安定化に向けた関係国の外交努力等に触れつつ、引き続きカタールと緊密に意思疎通していきたい旨述べました。また、我が国が一貫して支持している「二国家解決」に向けて連携したい旨述べました。これに対し、ムライヒー国務大臣は、地域の安定化のためには対話が重要であるとのカタールの立場及び取組について説明し、「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)や長年のパレスチナ支援をはじめとする日本の取組に感謝する旨述べました。
● さらに両大臣は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応といった国際場裡の諸課題についても意見交換しました。
(以上)
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