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自衛隊員の倫理の保持に関する状況及び施策について閣議資料を公開(9月26日)

  • 日本の防衛

2025-9-30 08:31

 防衛省は令和7(2025)年9月26日(金)09時50分、令和6年度自衛隊員の倫理の保持に関する状況及び倫理の保持に関して講じた施策に関する報告について、閣議資料を報道に公開した。
 その内容を以下に転載する。

令和6年度自衛隊員の倫理の保持に関する状況及び倫理の保持に関して講じた施策に関する報告

 自衛隊員倫理法(平成11年法律第130号)第4条の規定に基づき、自衛隊員の職務に係る倫理の保持に関する状況及び自衛隊員の職務に係る倫理の保持に関して講じた施策について、国会に報告するものである。

1 各種報告書の提出件数

 自衛隊員倫理法(平成11年法律第130号。以下「倫理法」という。)は、国民の疑惑や不信を招く行為の防止を図る観点から、隊員(倫理法第2条第1項に規定する自衛隊員をいう。以下同じ。)に贈与等、株取引等及び所得等について報告することを義務付けている。

(1)贈与等報告書の提出件数
 倫理法第6条第1項では、部員級以上の隊員(倫理法第2条第2項各号に掲げる隊員をいう。)は、事業者等から贈与等を受けたとき等は、四半期ごとに、贈与等報告書を防衛大臣(防衛装備庁の職員である隊員(自衛隊法(昭和29年法律第165号)第30条の2第1項第6号に規定する幹部隊員及び自衛官を除く。以下単に「防衛装備庁の職員である隊員」という。)にあっては、防衛装備庁長官)に提出しなければならないとされている。倫理法第6条第3項の規定に基づき、その写しは自衛隊員倫理審査会(以下「倫理審査会」という。)に送付され、当該報告書については、倫理法第11条の規定に基づき、倫理審査会が審査を行っている。また、倫理法第9条第2項の規定に基づき、贈与等により受けた利益又は支払を受けた報酬の価額が1件につき2万円を超える部分については、閲覧を請求することができる。
 令和6年度分の贈与等報告書の提出総数は、1,532件であった。これらのうち、本省審議官級以上の隊員(倫理法第2条第3項各号に掲げる隊員をいう。以下同じ。)に係る報告書の件数は279件、また、閲覧を請求することができる報告書の件数は615件である。
 贈与等報告書の提出総数1,532件の内訳を見ると、金銭、物品等の供与関係が325件(提出総数に占める割合21.2%)、飲食の提供等関係が493件(同32.2%)、報酬関係が714件(同46.6%)となっている。本省審議官級以上の隊員に係る279件の内訳を見ると、金銭、物品等の供与関係が97件(本省審議官級以上の隊員に係る報告書の件数に占める割合34.8%)、飲食の提供等関係が120件(同43.0%)、報酬関係が62件(同22.2%)となっている。

(2)株取引等報告書の提出件数
 倫理法第7条第1項では、本省審議官級以上の隊員は、前年において行った株券等の取得又は譲渡について、毎年、株取引等報告書を防衛大臣(防衛装備庁の職員である隊員にあっては、防衛装備庁長官)に提出しなければならないとされており、同条第3項の規定に基づき、その写しは倫理審査会に送付され、当該報告書については、倫理法第11条の規定に基づき、倫理審査会が審査を行っている。
 令和6年分の株取引等報告書の提出件数は15件であった。

(3)所得等報告書の提出件数
 倫理法第8条第1項では、前年1年間を通じて本省審議官級以上の隊員であった者は、毎年、所得等報告書を防衛大臣(防衛装備庁の職員である隊員にあっては、防衛装備庁長官)に提出しなければならないとされており、同条第4項の規定に基づき、その写しは倫理審査会に送付され、当該報告書については、倫理法第11条の規定に基づき、倫理審査会が審査を行っている。
 令和6年分の所得等報告書は、対象者全員から提出され、その件数は117件であった。

2 倫理監督官への届出等の状況

(1)倫理監督官への届出件数
 自衛隊員倫理規程(平成12年政令第173号。以下「倫理規程」という。)第8条では、隊員が自己の飲食に要する費用について利害関係者の負担によらないで利害関係者と共に飲食をする場合において、自己の飲食に要する費用が1万円を超えるときは、あらかじめ、倫理監督官に届け出なければならないとされている。
 令和6年度における倫理監督官への届出は9件であった。

(2)倫理監督官の承認の状況
 倫理規程第9条第1項では、隊員が利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて講演等をしようとする場合は、あらかじめ倫理監督官の承認を得なければならないとされている。
 令和6年度における承認申請件数は400件であり、これらは全て承認された。

3 懲戒処分等の状況

自衛隊員倫理法令違反による処分等の状況
 防衛大臣及び防衛装備庁長官は、自衛隊法第46条第1項第3号の規定に基づき、隊員が倫理法又は倫理法に基づく命令に違反する行為(以下「倫理法違反行為」という。)を行った場合には、当該隊員に対し、懲戒処分をすることができる。
 令和6年度中に倫理法違反行為に対して懲戒処分が行われた事案はなかった。
 また、令和6年度中に、倫理法違反行為に対して訓戒等の措置が講じられた事案は、2件(訓戒6名、注意4名)であった。

4 自衛隊員倫理法等の適正な運用の確保及び倫理感のかん養・保持等のための施策

(1)自衛隊員倫理審査会が行った施策
 倫理審査会は、倫理法の規定により提出された贈与等報告書、株取引等報告書及び所得等報告書について審査を行ったほか、自衛隊員等倫理月間(令和6年7月の1か月間)で使用した教育資料等に関する指導・助言を行った。

(2)防衛省全体として行った施策
① 隊員の倫理に関する意識を高めるため、令和6年度においては7月の1か月間を自衛隊員等倫理月間とし、当該期間中に次に掲げる施策を実施した。
 ア 倫理監督官である事務次官から隊員に向けて倫理の保持に関する通達を発出した。
 イ 部外講師による講演(演題「コンプライアンスが大好きな人はいますか?」)を開催した。
 ウ 全ての隊員を対象に防衛省が独自に作成した教育資料等により倫理に関する教育を行うとともに、教育時等において、管理・監督の地位にある者から自らの倫理観を部下隊員に教示した。
 エ 「倫理観をもった行動を!」という内容で倫理法や倫理規程の概要を掲載した啓発用パンフレットを作成し、隊員に配布した。
 オ 事業者向けe-ラーニングを作成し、防衛省のホームページに掲載するとともに、そのQRコードを記載した「自衛隊員と関わりのある事業者等の皆様へ~倫理の保持にご協力ください~」という内容の部外用パンフレットを作成し、契約担当部署等を通じ、事業者等に配布した。
 カ 隊員としての遵守事項及び事業者等との間で禁止されている行為の基本的な内容を簡潔に記載したカードを作成し、隊員に身分証とともに携帯させた。

② 令和6年度に行われた次に掲げる研修において、隊員の倫理感のかん養・保持等のためのカリキュラムの充実を図った。
 ア 防衛省合同初任研修(修了者数 96名)
 イ 防衛省合同初任研修(各機関)(同663名)
 ウ 令和6年度(第5回)内局研修(係員級)(同31名)
 エ 令和6年度(第6回)内局研修(係員級)(同28名)
 オ 令和6年度(第7回)内局研修(係員級)(同38名)
 カ 令和6年度(第4回)内局研修(係長級)(同35名)
 キ 令和6年度(第5回)内局研修(係長級)(同25名)
 ク 第16回上級管理職育成研修(同43名)

(3)部内の各機関が行った施策
 部内の各機関において講じられた施策としては、次のものがある。
① 服務担当者会議、課長会議等の各種会議において、倫理法の周知徹底等の指示・指導を行った。
② 研修における倫理講座の設定、充実等を行った。
③ 日常業務において、また、文書回覧、課内連絡会議等により、管理・監督の地位にある隊員から部下隊員への指導を行った。
④ 管理・監督の地位にある隊員に対して、会議等における指示・指導を行った。

(以上)

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