戦闘機と一緒に作戦行動する無人機、日本も作ってみた:防衛装備庁シンポジウム レポート①
- 日本の防衛
2025-11-13 20:00
2025年11月11、12日に東京のホテルグランドヒル市ヶ谷で、防衛装備庁が年に一度その研究・開発を発表する「技術シンポジウム2025」が開催された。いくつかの展示を、稲葉義泰が紹介する。
防衛装備庁の「技術シンポジウム2025」において、航空装備研究所が「遠隔操作型支援機技術の研究の成果について」という展示を行った。


将来運用が予定される有人戦闘機は、無人機との連携(いわゆるMUM-T)が必須の機能となる。たとえば、敵の戦闘機や防空システムが存在する地域に進出する場合、その中にそのまま進入することは、いくらステルス性を有する機体といえどもリスクが高い。そこで、有人戦闘機からコントロールできる無人機を先行させることで、人命を危険にさらすことなく、安全に任務をこなすことが可能となる。また、無人機に搭載されるセンサーや兵装により、これまでよりも広い空域の情報を取得できるようになるほか、戦闘に使用できるミサイルや誘導爆弾の数を増やすことが出来る。
しかし、この無人機に対していちいち細かい指令を有人戦闘機のパイロットが送信しなければならないとなると、パイロットの負担が大きくなってしまい、非常に効率が悪い。そこで、今回展示された研究では、無人機自身が自己位置を確認しながら状況に応じた最適な飛行ルートして目標空域へ向かう能力について、実証試験が行われた。


試験は、このために製作された無人機を使用し、北海道の大樹町(たいきちょう)にある滑走路を発着場として実施された。搭載するGNSS(全球測位衛星システム)装置により自己位置を把握しつつ、機上管制装置を搭載したヘリコプターから無人機を音声でコントロールしつつ、模擬脅威機に対する各種ミッションを実施した。
また、この試験では5機の無人機による編隊飛行も模擬された。ちなみに、この無人機はSUBARU航空宇宙カンパニー製で、予備機も含め8機が試験に供されたという。
この研究により、無人機の運用に必要な指令を最低限に抑えることができ、将来は人工知能(AI)との組み合わせも期待される。

(以上)
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