[国会答弁]防衛装備移転円滑化基金に関する質問答弁
- 日本の防衛
2025-11-5 11:53
防衛省は令和7(2025)年10月31日(金)09時20分、第219回国会における閣議資料のうち、「防衛装備移転円滑化基金に関する質問に対する答弁書」を報道に公開した。
その質問主意書と答弁書を以下に転載する。
質問主意書
令和7年10月21日提出
質問第4号
防衛装備移転円滑化基金に関する質問主意書
提出者 平岩征樹
防衛装備移転円滑化基金については令和7年度において約1200億円が積み立てられている。この根拠として、令和7年5月14日に開会された参議院の決算委員会では中谷防衛大臣より「次期汎用フリゲート艦11隻、これを本年度中に選定が行われるということが見込まれておりまして、これに対応するための設計変更、そして試験等を行うために経費が必要となっておりまして、この経費を積み上げた結果、本件を含む一部の大型装備移転案件だけでも1000億円を超える規模に達するなど、令和7年度までに約1200億円程度が必要な見込みであります。残高800億円では不足が生じるために、令和7年度予算に400億円を計上いたしました。」との答弁があった。また海上自衛隊向けの新型FFMについては令和7年度予算において3隻分の建造費3148億円計上されている。以下のとおり質問する。
一 令和7年度までに必要な約1200億円の内、新型FFMの装備移転に関係する経費がどの程度あるか示されたい。
二 これまで防衛装備移転円滑化基金で支出された経費について、インド向けアンテナの移転において「約15億円の計画を認定をし、そのうち約1億円を支出をした」との答弁があった。令和7年度に見込まれる約1200億円の支出に対して、想定している認定予定の計画の総額の見込み及び件数を示されたい。
三 新型FFMの装備移転については「豪州政府の次期汎用フリゲートの共同開発・生産に向けた官民合同推進委員会」(以下委員会)をこれまで3回開催している現状を踏まえて、以下質問する。
1 委員会の設置根拠と構成員の選定理由を教えられたい。
2 その他の案件で委員会と同様の会議を開催している例があるか教えられたい。
四 防衛装備移転円滑化基金の増大化傾向について政府の見解如何。
右質問する。
答弁書
衆議院議員平岩征樹君提出防衛装備移転円滑化基金に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「新型FFMの装備移転に関係する経費がどの程度あるか」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、豪州の次期汎用フリゲート(令和6年11月28日に防衛省が公表した「豪州次期汎用フリゲートの共同開発・生産を我が国が実施することとなった場合の令和6年度型護衛艦の移転について」における「豪州の次期汎用フリゲート」をいう。)に係る防衛装備移転については、当該防衛装備移転を実施しようとする、防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律(令和5年法律第54号。以下「法」という。)第2条第3項に規定する装備品製造等事業者(以下「事業者」という。)と調整を進めているところであり、具体的にお答えできる段階にない。なお、当該防衛装備移転に関しては、現時点で法第9条第1項に基づく認定を受けた装備移転仕様等調整計画における同条第2項第4号に掲げる装備移転仕様等調整を行うために必要な資金の額は、合計約273億円である。
二について
お尋ねの「令和7年度に見込まれる約1200億円の支出に対して、想定している」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和7年度における法第9条第1項に基づく装備移転仕様等調整計画の認定に関する「総額の見込み及び件数」については、防衛装備移転を受けることが見込まれる外国政府や防衛装備移転を実施しようとする事業者と調整を進めているところであり、具体的にお答えできる段階にない。
三の1について
お尋ねの「委員会」(以下「本件委員会」という。)については、「オーストラリア政府の次期汎用フリゲートの共同開発・生産に向けた官民合同推進委員会設置要綱」(令和6年12月13日付け防装庁(事)第427号防衛事務次官通達別紙。以下「要綱」という。)に基づき設置されている。
また、お尋ねの「構成員」の選定理由については、要綱において本件委員会は「オーストラリア政府の次期汎用フリゲートの共同開発・生産を官民一体となり着実に推進するため」に設置するとされていることを踏まえ、関連する知識や経験等を総合的に判断したものである。
三の2について
お尋ねの「その他の案件で委員会と同様の会議」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、本件委員会以外に、防衛装備移転を官民一体となって推進するための会議を開催している事例はない。
四について
お尋ねの「増大化傾向」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、防衛装備移転円滑化事業費補助金については、令和5年度予算において400億円を、令和6年度予算において400億円を、令和7年度予算において400億円をそれぞれ計上したところであり、これまでの予算措置については、必要な経費を適切に計上したものであったと考えている。
(以上)
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