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日比ACSA(物品役務相互提供協定)に署名 自衛隊とフィリピン軍の連携を円滑化(1月15日)

  • 日本の防衛

2026-1-19 10:05

 外務省は令和8(2026)年1月15日(木)、フィリピンの首都マニラにおいて、茂木敏充(もてぎ・としみつ)外務大臣とマリア・テレサ・ラザロ・フィリピン共和国外務大臣により、日・フィリピン物品役務相互提供協定(日比ACSA)への署名が行われたことを発表した。発効は30日後で、これにより両国部隊が物品・役務を相互に提供でき、実動レベルでの連携の円滑化が進むことになる。

 発表内容と日・フィリピン物品役務相互提供協定の和文仮訳を、以下に転載する。

写真:外務省
写真:外務省

日・フィリピン物品役務相互提供協定(日比ACSA)への署名

 1月15日(日本時間同日)、フィリピン共和国の首都マニラにおいて、茂木敏充外務大臣とマリア・テレサ・ラザロ・フィリピン共和国外務大臣(Hon. Maria Theresa Lazaro, Secretary of Foreign Affairs of the Republic of the Philippines)との間で、「日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とフィリピン共和国政府との間の協定」(略称:日・フィリピン物品役務相互提供協定(日比ACSA))への署名が行われました。

1  日比ACSAは、自衛隊とフィリピンの軍隊との間において、物品・役務を相互に提供する際の決済手続等の枠組みを定める協定です。

2  この協定により、自衛隊とフィリピンの軍隊との間で物品・役務の提供を円滑かつ迅速に行うことができるようになります。この協定は、自衛隊とフィリピンの軍隊との間の緊密な協力を促進するとともに、国際社会の平和と安全に積極的に寄与するものです。

(参考:日・フィリピン物品役務相互提供協定) 日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とフィリピン共和国政府との間の協定

 日本国政府及びフィリピン共和国政府(以下個別に「締約国政府」といい、「両締約国政府」と総称する。)は、
 二国間の防衛協力を強化することに寄与する、2015年1月29日に東京で署名された日本国防衛省とフィリピン共和国国防省との間の防衛協力及び交流に関する覚書及び2024年7月8日にマニラで署名された日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定を想起し、
 後方支援の分野における物品又は役務(以下「物品又は役務」という。)の相互の提供に関する日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における枠組みを設けることにより、防衛協力及び交流を促進し、及び強化することで、二国間関係の一層の発展及び強化を図ることを希望し、
 このような枠組みを設けることが、日本国の自衛隊及びフィリピンの軍隊が実施する活動においてそれぞれの役割を一層効率的に果たすことを促進し、並びに国際の平和及び安全に積極的に寄与することを理解して、
 次のとおり協定した。

第一条

1 この協定は、日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における次に掲げる活動のために必要な物品又は役務の相互の提供に関する基本的な条件を定めることを目的とする。
a 日本国の自衛隊及びフィリピンの軍隊の双方の参加を得て行われる訓練
b 国際連合平和維持活動、国際連携平和安全活動、人道的な国際救援活動又はいずれかの締約国政府の国若しくは第三国の領域における大規模災害への対処のための活動
c 外国での緊急事態における自国民又は適当な場合には他の者の退去のための保護措置又は輸送
d 連絡調整その他の日常的な活動(いずれか一方の締約国政府の部隊の艦船又は航空機による他方の締d約国政府の国の領域内の施設への訪問を含む。)。ただし、いずれかの締約国政府の部隊が単独で行う訓練を除く。
e それぞれの国の法令により物品又は役務の提供が認められるその他の活動

2 この協定は、相互主義の原則に基づく物品又は役務の提供のための枠組みについて定める。

3 この協定に基づいて行われる物品又は役務の要請、提供、受領及び決済については、日本国の自衛隊及びフィリピンの軍隊が実施する。

第二条

1 いずれか一方の締約国政府が日本国の自衛隊又はフィリピンの軍隊により実施される前条1aからeまでに掲げる活動のために必要な物品又は役務の提供を他方の締約国政府に対してこの協定に基づいて要請する場合には、当該他方の締約国政府は、その権限の範囲内で、要請された物品又は役務を提供することができる。

2 この協定に基づいて提供される物品又は役務は、次に掲げる区分に係るものとする。
 食料、水、宿泊、輸送(空輸を含む。)、燃料・油脂・潤滑油、被服、通信業務、衛生業務、基地活動支援(基地活動支援に付随する建設を含む。)、保管業務、施設の利用、訓練業務、部品・構成品、修理・整備業務(校正業務を含む。)、空港・港湾業務及び弾薬
 それぞれの区分に係る物品又は役務については、この協定の不可分の一部を成す付表において定める。

3 2の規定については、日本国の自衛隊又はフィリピンの軍隊による武器の提供を含むものと解してはならない。

4 日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における前条1aからeまでに掲げる活動のために必要な物品又は役務の提供は、それぞれの国の法令に従って行われる。

第三条

1 この協定に基づいて提供される物品又は役務の使用は、国際連合憲章と両立するものでなければならない。

2 この協定に基づいて物品又は役務を受領した締約国政府(以下「受領締約国政府」という。)は、当該物品又は役務を提供した締約国政府(以下「提供締約国政府」という。)の書面による事前の同意を得ないで、一時的であれ又は永続的であれ、いかなる手段によっても、受領締約国政府の部隊以外の者に対して当該物品又は役務を移転してはならない。

第四条

1 この協定に基づいて行われる物品又は役務の提供に係る決済の手続は、次のとおりとする。
a 物品の提供については、
 i 受領締約国政府は、提供締約国政府にとって満足のできる状態及び方法で当該物品を返還する。ただし、ⅱの規定の適用を妨げるものではない。
 ⅱ 提供された物品が消耗品である場合又は受領締約国政府が提供締約国政府にとって満足のできる状態及び方法で当該物品を返還することができない場合には、受領締約国政府は、同種、同等及び同量の物品を提供締約国政府にとって満足のできる状態及び方法で返還する。ただし、ⅲの規定の適用を妨げるものではない。
 ⅲ 受領締約国政府が提供された物品と同種、同等及び同量の物品を提供締約国政府にとって満足のできる状態及び方法で返還することができない場合には、受領締約国政府は、提供締約国政府に対して提供締約国政府の指定する通貨により償還する。
b 役務の提供については、提供された役務を、提供締約国政府の指定する通貨により償還し、又は同種であり、かつ、同等の価値を有する役務を提供することによって決済する。決済の方法については、役務の提供の前に両締約国政府の間で合意する。

2 いずれの締約国政府も、それぞれの国の法令が許容する範囲内で、この協定に基づいて提供される物品又は役務に対して消費税を課さないものとする。

第五条

1 この協定に基づいて行われる物品又は役務の相互の提供については、この協定に従属し、並びに条件の補足的な細目及び手続であってこの協定を実施するためのものを定める手続取決め(その修正を含む。)に従って実施する。手続取決めは、両締約国政府の権限のある当局の間で作成される。

2 前条1aⅲ及びbの規定に従って償還される物品又は役務の価格については、手続取決めに定める関連規定に基づいて決定する。

第六条

1 この協定の規定は、1954年2月19日に署名された日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定に基づいて国際連合の軍隊を構成する部隊として行動するフィリピンの軍隊が実施するいかなる活動にも適用されない。

2 両締約国政府は、この協定の実施に関し相互に緊密に協議する。

3 この協定及び手続取決めの解釈又は適用に関するいかなる事項も、両締約国政府の間の協議によってのみ解決されるものとする。

第七条

1 この協定は、両締約国政府がこの協定の効力発生に必要なそれぞれの国内手続を完了した旨を相互に通告する外交上の公文を交換した日の後30日目の日に効力を生ずる。この協定は、10年間効力を有するものとし、その後は、いずれか一方の締約国政府がそれぞれの10年の期間が満了する少なくとも6箇月前に他方の締約国政府に対し、外交上の経路を通じてこの協定を終了させる意思を書面により通告しない限り、順次それぞれ10年の期間、自動的に効力を延長されるものとする。

2 1の規定にかかわらず、各締約国政府は、他方の締約国政府に対し、外交上の経路を通じて一年前に書面により通告することによって、いつでもこの協定を終了させることができる。

3 この協定は、両締約国政府の間の書面による合意によって改正することができる。改正は、それぞれの国によりその国内手続に従って承認されるものとし、両締約国政府が合意する日に効力を生ずる。

4 この協定の終了の後においても、この協定に基づいて行われた物品又は役務の相互の提供に関し、第三条から第五条まで及び前条3の規定は、引き続き効力を有する。

 以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。

 2026年1月15日にマニラで、英語により本書2通を作成した。

 日本国政府のために

 フィリピン共和国政府のために

付表

区分
食料食料、食事の提供、調理器具及びこれらに類するもの
水、給水、給水に必要な用具及びこれらに類するもの
宿泊宿泊設備及び入浴設備の利用、寝具類並びにこれらに類するもの
輸送(空輸を含む。)人又は物の輸送、輸送用資材及びこれらに類するもの
燃料・油脂・潤滑油燃料、油脂及び潤滑油、給油、給油に必要な用具並びにこれらに類するもの
被服被服、被服の補修及びこれらに類するもの
通信業務通信設備の利用、通信業務、通信機器及びこれらに類するもの
衛生業務診療、衛生機具及びこれらに類するもの
基地活動支援(基地活動支援に付随する建設を含む。)廃棄物の収集及び処理、洗濯、給電、環境面の支援、建設、消毒機具及び消毒並びにこれらに類するもの
保管業務倉庫又は冷蔵貯蔵室における一時的保管及びこれに類するもの
施設の利用建物、施設及び土地の一時的利用並びにこれらに類するもの
訓練業務指導員の派遣、教育訓練用資材、訓練用消耗品及びこれらに類するもの
部品・構成品軍用航空機、軍用車両及び軍用船舶の部品又は構成品並びにこれらに類するもの
修理・整備業務(校正業務を含む。)修理及び整備、修理及び整備用機器並びにこれらに類するもの
空港・港湾業務航空機の離発着及び艦船の出入港に対する支援、積卸作業並びにこれらに類するもの
弾薬弾薬、弾薬の提供、弾薬の提供に必要な用具及びこれらに類するもの

(以上)

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