ノースロップ・グラマンのIBCS統合戦闘指揮システム、ポーランドで完全運用能力を達成(12月18日)
- その他
2025-12-22 11:15
アメリカの防衛企業ノースロップ・グラマンは、米国時間で2025年12月18日(木)、ポーランドに納品した統合戦闘指揮システムIBCSを搭載した中距離防空システムが完全運用能力に達したことを宣言した。
発表内容の全文は以下の通り
ポーランド、ノースロップ・グラマンの統合戦闘指揮システム(IBCS)が完全運用能力に到達したことを宣言
ポーランド・ワルシャワ ─ 2025年12月18日 ─ ポーランド国防省は、統合戦闘指揮システムIBCSを搭載したWISŁA中距離防空システムが完全運用能力(FOC)に到達したことを宣言しました。これはノースロップ・グラマン社(NYSE: NOC)が開発したIBCSにとって重要なマイルストーンになります。これによりポーランドは、IBCSを完全に運用化した初の米国NATO同盟国となり、先進的かつ統合された防空能力によってNATOの東方防衛の大幅な強化を実現することになります。この成果は、IBCSが空中目標を交戦・迎撃する能力を実証した国際的な実射試験の成功を受けて達成されたものです。
ポーランドのWISŁAプログラムは現在、実戦即応態勢にあり、マルチセンサー・データ融合を通じてミサイルや航空機といった脅威を探知・交戦が可能な、IBCSに対応したパトリオット防空ミサイル2個大隊を備えています。今回のマイルストーンは、米国とポーランドの強固な防衛協力関係を反映するものであり、ポーランド軍の要員はIBCSの運用の訓練および認証を完了しています。
今後の展開
▪IBCSにより、ポーランドは米国およびNATOのシステムとの相互運用性を確保し、階層化された防空ネットワークを構築します。これにより、多国間でのリアルタイムでの脅威の追跡が可能となり、同盟国全体をカバーする集団防衛が強化されます。
▪WISŁAプログラムの次段階では、IBCSを8 個のパトリオット大隊へ増強し、追加のランチャー、迎撃手段、そして先進レーダーを統合することで、全国規模の包括的な防空ミサイル防衛能力を提供します。
▪ポーランド産業界は、今後も重要な役割を担い、より多くの国内組立、整備、製造への参画を通じて、ポーランドの自立性を高めるとともに、国際パートナー向け防衛装備輸出の可能性が拡大することになります。

専門家のコメント
ノースロップ・グラマン社指揮統制・兵器統合部門バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーであるケン・トドロフは次のように述べています。「ポーランドによるIBCSのFOC宣言は、ポーランド、米国、そして同盟国とともに、相互運用可能な防衛ソリューションを大規模に提供できる我々の能力を示すものです。統合防空ミサイル防衛のための最先端ソリューションとして、IBCSは革新的で統一された、かつ費用対効果の高いアプローチを通じ、世界的な防空・ミサイル防衛の要求に応えるべく継続的に能力を強化しています。このマイルストーンは、複雑な脅威に効果的に対処するための高度な能力を提供するものであり、ポーランド産業界とノースロップ・グラマンとの強固な協力関係によって実現しました。」
IBCSの詳細
IBCSは、製造元、軍種、ドメインに制約されることなく、現在および将来のシステムを統合する革命的なシステムであり、火器管制が可能なレベルのバトル・マネジメントおよび指揮統制能力を提供します。ネットワーク対応でモジュール化された、オープンかつスケーラブルなアーキテクチャを通じ、IBCSは複数のセンサーから得られるデータを融合し、戦闘空間全体を俯瞰する行動を可能にする完全な単一ピクチャを生成します。この即応能力により、戦闘部隊は脅威を評価し対応するための時間的余裕を得ることができ、統合および同盟・多国間によるマルチドメイン作戦を可能にする基盤的要素として機能します。IBCSはフルレート量産段階にあり、現在ポーランドに配備されています。また、米陸軍の統合防空ミサイル防衛近代化の公式プログラムの一環として、欧州およびインド太平洋地域の戦闘軍への配備が計画されています。
ノースロップ・グラマン社について
ノースロップ・グラマンはミサイル防衛分野で最も多様な能力を持つポートフォリオを有し、信頼性の高い次世代技術を迅速に提供することで、ミサイルの撃破に必要なエンド・ツー・エンドのソリューションを実現しています。先進的なソフトウェア開発、新たなハードウェア設計、素材科学、そして大規模生産を通じ、この技術をスピーディーに提供する実績ある総合企業です。
従業員約10万人、3,000万平方フィート超(フットボール場500面以上に相当)の製造施設を擁するノースロップ・グラマンは、かつてないスピードでイノベーションを推進するための能力・規模・柔軟性を備えています。弊社の製造アプローチは、単に製品を生産するにとどまらず、設計・開発から製造・試験に至るまで、プロセス全体を加速・高度化します。我々は、現在および将来の国家安全保障ニーズに応えるため、米国のインフラ、R&D、人材、そしてサプライチェーンに継続的に投資しています。
ノースロップ・グラマンは、航空宇宙および防衛技術分野におけるグローバルなリーディングカンパニーです。時代を切り拓く我々のソリューションは、カスタマーが世界とつながり、また世界を守るために必要な能力を提供し、人類の探究の境界を宇宙規模で押し広げています。カスタマーの最も困難な課題を解決するという共通の目的を原動力として、我々の従業員は日々「可能性」の定義を更新し続けています。
(以上)
◎下の[次の記事][前の記事]ボタンで、日本の防衛に関するニュース記事を次々にご覧いただけます。
Ranking読まれている記事
- 24時間
- 1週間
- 1ヶ月
- 人事発令 12月19日付け、指定職人事(防衛事務官2名)
- 人事発令 令和7年12月19日付け、1佐人事(海自13名、空自5名)
- 自衛官・防衛省職員らの給与アップ改正案を閣議決定、国会に提出(12月8日)
- 人事発令 令和7年12月16日付け、1佐職人事(陸自31名、海自3名、空自13名)
- 人事発令 令和7年12月18日付け、1佐職人事(海自4名)
- 人事発令 令和7年12月14日、15日付け、1佐職人事(海自9名、空自18名)
- 《レポート》第1回ランドパワー・フォーラム・イン・ジャパン 東京・水道橋で開催
- 人事発令 令和7年12月16日付け、将補人事(陸自12名、海自13名、空自13名)
- F-35A戦闘機、5つめの飛行隊は千歳基地に 令和8年度から配備開始(12月12日)
- 人事発令 令和7年12月21日・22日付け、1佐職人事(海自2名、空自8名)
- 人事発令 令和7年12月16日付け、1佐職人事(陸自31名、海自3名、空自13名)
- 人事発令 令和7年12月14日、15日付け、1佐職人事(海自9名、空自18名)
- アメリカ海軍ニミッツ級航空母艦「ジョージ・ワシントン」、横須賀基地に帰港(12月11日)
- 人事発令 令和7年12月19日付け、1佐人事(海自13名、空自5名)
- 人事発令 令和7年12月18日付け、1佐職人事(海自4名)
- 人事発令 12月19日付け、指定職人事(防衛事務官2名)
- 自衛官・防衛省職員らの給与アップ改正案を閣議決定、国会に提出(12月8日)
- 神奈川県伊勢原市日向山における林野火災に係る災害派遣(12月12日、終報)
- F-35A戦闘機、5つめの飛行隊は千歳基地に 令和8年度から配備開始(12月12日)
- 人事発令 令和7年12月16日付け、将補人事(陸自12名、海自13名、空自13名)
- 人事発令 令和7年12月16日付け、将人事(陸自4名、海自4名、空自3名)
- 人事発令 11月30日、12月1日付け 1佐職人事(陸自93名、海自45名、空自5名)
- 人事発令 令和7年12月16日付け、将補人事(陸自12名、海自13名、空自13名)
- 人事発令 令和7年12月16日付け、1佐職人事(陸自31名、海自3名、空自13名)
- 自衛官・防衛省職員らの給与アップ改正案を閣議決定、国会に提出(12月8日)
- 人事発令 12月9日付け、1佐職人事(陸自9名)
- 人事発令 12月4日付け、1佐職人事(空自5名)
- 人事発令 11月21日付け、1佐人事(海自4名)
- 人事発令 令和7年12月14日、15日付け、1佐職人事(海自9名、空自18名)
- レールガンの進捗状況を発表 極超音速兵器の撃墜めざす:防衛装備庁シンポジウム レポート③

