第3回 防衛力変革推進本部で「新しい戦い方」を議論 ウクライナ侵略を分析した資料も公表(12月18日、26日)
- 日本の防衛
2025-12-26 09:35
防衛省・自衛隊は令和7(2025)年12月24日(水)、12月18日(木)に行われた第3回 防衛力変革推進本部の開催について、その開催概要と防衛大臣の冒頭発言公表した。
追って12月26日(金)には、「ウクライナ侵略で見られる新しい戦い方と課題」と題した関連資料も公表した。
公表内容を以下に転載する。
第3回 防衛力変革推進本部
年月日
令和7年12月18日
議題
「新しい戦い方」及び「防衛力抜本的強化の実現に向けた取り組み」について
小泉防衛大臣冒頭発言
第3回「防衛力変革推進本部」の開催にあたり一言申し上げます。
本日の主な議題は「新しい戦い方」です。
ウクライナでは、大量・安価・多種多様な無人装備が投入され、高価な装備品や生活インフラへの攻撃に使用されるとともに、これに従来の砲弾やミサイルを組み合わせた大規模な複合攻撃が展開されています。
また、AI・ネットワークによる意思決定の迅速化や、宇宙・サイバー・電磁波領域における戦い、情報戦も行われています。
さらに、従来と比べ、極めて短いサイクルで装備品や戦術が更新されています。例えば、ドローンへの電子妨害に対し、2~3週間で電子妨害に耐えられる無人機が投入されるなど、数週間単位というスピードになっています。また、現場の個々の兵士による装備品のレビューシステムなど、装備・戦術の迅速なアップデートを可能とするシステムも導入されています。
その上で、重要なことは、現在既に起きている戦いをなぞるだけではなく、将来、これを質的・量的に上回るような事態が起こることを想定し、それでもなお我が国の防衛を全うするためには如何なる防衛構想が必要かということを真剣に考えることです。
例えば、ウクライナが実施した「蜘蛛の巣」と呼ばれる作戦では、117機のドローンでロシア国内の複数の基地を攻撃し、戦略爆撃機など数十機に損害を与えたと言われています。ロシアは昨年150万機以上のドローンを前線に投入したほか、アメリカは今後2、3年で100万機のドローンを調達するといわれていますが、将来、我が国に対し、数百万機単位のドローンによる攻撃が行われた場合に、どのように対処するのか。
例えば、宇宙領域の重要性の高まりを踏まえ、来年度、航空宇宙自衛隊が発足しますが、将来、指揮統制に不可欠な宇宙・サイバー・電磁波領域において劣勢に追い込まれた場合に、どのように戦い続けるのか。
例えば、今この瞬間にも、世界では、国内世論の分断を図る試みや、論点を意図的にずらした世論戦が行われていますが、将来、民主主義国家である我が国に対して大規模な情報戦が行われた場合に、有事への対応に際して国論が分断されないようにするためには何が必要なのか。
こういった事態について、参加者各位の有する知見と、そして、想像力を働かせた議論を期待します。
また、ウクライナ侵略が3年を越え長期化していることを踏まえれば、我が国も、継戦能力の確保が急務です。サプライチェーンや有事における生産の急拡大を可能とする生産体制の構築、民生技術の取込みといった施策に取り組み、生産・技術基盤を強化していく必要があります。
さらに、ウクライナが長期間にわたり侵略に抵抗できている要因の1つとして、外国からの装備品の提供や、装備品の共同生産・メンテナンスにより継戦能力を確保できていることが挙げられます。装備品の生産・移転が同盟国・同志国との連携に不可欠な役割を果たすことも踏まえ、検討を進めていきたいと思います。
以上、様々申し上げましたが、大陸国家であるロシア・ウクライナと異なり、海洋国家である我が国が置かれた戦略環境において、我が国防衛のため何をなすべきかという観点から、「海洋国家」「平和国家」としての、我が国独自の新しい戦略や戦い方を作っていこうではありませんか。
最後に、本日、前回の会議資料を公表いたします。
我が国を取り巻く安全保障環境について国民の皆様にご理解いただくことは、防衛力の「変革」を実現するために必要不可欠です。
また、平素から激しい情報戦が繰り広げられる昨今の国際情勢を踏まえると、情報発信における我々の運動量を増やし、正確な情報を発信するとともに、偽情報の拡散を阻止するための努力が必要であると日々痛感しています。
本日も、活発で率直な議論を期待したいと思います。ぜひよろしくお願いします。
ウクライナ侵略で見られる新しい戦い方と課題











(以上)
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