小泉防衛大臣が記者会見 (12月26日)
- 日本の防衛
2025-12-28 14:28
令和7(2025)年12月26日(金)11時22分~11時52分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、防衛省A棟10階会見室において閣議後の会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣からの発表事項
昨日、陸上自衛隊三宿駐屯地と習志野駐屯地を視察いたしました。
まず、三宿駐屯地に所在する自衛隊中央病院を慰問しました。国のため過酷な任務に当たり、怪我や病を患った自衛隊員への万全の医療を提供することも防衛省の責務であります。また、質の高い医療サービスの提供は、自衛隊員が安心して働ける環境の基礎になるものです。そして、この自衛隊中央病院は、一般の方も診療を受けられる体制としており、地域医療を支える病院でもあります。自衛隊員とその御家族、地域の方々までしっかりと支え、守ることのできる自衛隊の医療体制を引き続き確保してまいります。
次に、習志野駐屯地では、特殊作戦群を視察しました。特殊作戦群は、ゲリラや特殊部隊による攻撃に対処するため、高い機動力や高度な近接戦闘能力を有する専門部隊です。今回の視察では、訓練展示の視察や自衛官への激励を行いました。視察の中で特殊作戦群の群長から、現場の隊員が負傷した際に、自ら処置を行えるよう、柔軟な仕組みを設けてほしいとの要望を受けました。このため、私から直ちに衛生監に対して、必要な仕組みを検討するよう指示しました。日々厳しい任務に従事している自衛官達の訓練の様子を間近で確認し、国防という崇高な使命を担う自衛官が誇りを持って活動できる環境を一日でも早く整える。その思いを新たにしました。
今後も視察の機会を通じ、日々厳しい任務に従事している自衛官の実情を自らの目で確認し、現場の声に耳を傾け、その能力を最大限に発揮できる環境をしっかり整えてまいります。冒頭は私から以上です。
記者との質疑応答
アメリカが報じた中国の軍拡について
記者 :
米国防総省は23日、中国の軍事・安全保障に関する年次報告書を公表しました。中国軍が現在3隻保有している空母戦力について、2035年までに計9隻体制にしようとしているとの見通しを示しました。もし中国軍がこれを実現した場合、日本にとって、どのような影響があるとお考えでしょうか。
大臣 :
御指摘のアメリカの報告書の内容については承知をしていますが、個々の内容についてコメントすることは差し控えます。その上で、空母をめぐっては、本年6月、空母2隻が太平洋上で同時に活動し、そのうち1隻が硫黄島より東側の海域で活動したこと。また、本年12月には、空母1隻が沖縄本島の東方から奄美大島東方の海域で活動したこと。これを防衛省・自衛隊として初めて確認し、公表いたしました。さらに、本年11月には中国3隻目の空母「福建」が就役しております。一般論として、空母が3隻体制になるということは、「整備、訓練、任務」のローテーション運用が可能となり、常に1隻が任務のために展開可能な態勢が今後構築され得るという指摘もあります。こうしたことから、中国は遠方の海空域における作戦遂行能力の向上を企図しているものとみられます。
また、今回、アメリカの報告書におきましては、例えば、中国の核弾頭保有数は2024年時点で600発台前半で推移しており、2030年までに1,000発を超える軌道に乗っている旨指摘されているところ、中国は、国防費を継続的に高い水準で増加させ、十分な透明性を欠いたまま、核・ミサイル戦力を含む軍事力を広範かつ急速に増強させています。現在、年明けにヘグセス長官との対面での日米防衛相会談を行うべく、アメリカとの必要な調整を行っているところでありますが、この会談が実現した場合には、これらの中国の軍事動向も含め、ヘグセス長官と地域情勢に関する認識を共有し、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化に向けた議論を深めたいと考えています。
令和8年度予算案について 4つの柱
記者 :
先ほどですね、来年度の令和8年度予算案が閣議決定されました。改めて、その受け止めと、防衛省として特に力を入れて取り組みたいポイントを教えてください。またですね、防衛費の対GDP比2%は補正での前倒し達成となりましたけれども、来年度の数値目標がどうなるのかあわせて伺います。
大臣 :
令和8年度の防衛予算案は、日本を守り抜くために必要な予算を確保するべく、防衛省・自衛隊の職員一同、一丸となって検討してまいりました。その結果、史上最高額となる8.8兆円、SACO・米軍再編経費を含めると、初めて9兆円を突破する金額を令和8年度の予算案に計上することができました。今回の予算は、あくまでも、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面し、日本の守りを全うするために最低限必要なものであります。そのポイントは4点あります。
1点目、これは、全ての隊員が士気高く任務に専念し、自らの能力を十分に発揮できる環境を早急に整備するため、隊員の処遇改善のための経費として、約6,000億円を計上したことであります。具体的には、隊員の食事について、質・量ともに満足度の高い食事とするため、一人当たりの糧食費の予算を過去最大の上げ幅となる約14%引き上げるとしたこと。また、築60年を超える陸上自衛隊仙台駐屯地や海上自衛隊那覇航空基地などの老朽化している隊舎の建替えを含め、29地区における34棟の隊舎の整備を行うということ。これに加え、太平洋での警戒監視のために硫黄島に展開した航空機の整備といった、厳しい環境下での整備作業に従事する隊員に対する、新たな手当も創設するとしたこと。これが処遇改善についての主なポイントであります。
そして、2点目でありますが、これは新しい戦い方に我が国も適応し、隊員の命をしっかり守りながら島嶼に侵攻する敵を沿岸で食い止める、無人アセットによる多層的沿岸防衛体制(SHIELD)を早期に構築するための経費として、約1,000億円を計上したことです。隊員の処遇改善と、この2点目のSHIELDについては、私から片山財務大臣に、直接大臣折衝でお願いをして、満額回答という形で認めていただいたものでもあります。
3点目が、スタンド・オフ・ミサイルの増強加速のため、事業費約1兆円を計上し、優れた国産ミサイルの量産を進めるほか、南西地域の防衛体制の強化のため、陸上自衛隊15師団を創設し、沖縄の守りを増強することであります。
そして最後の4点目、これは、国民生活の基盤でもある宇宙空間の安定的利用を確保することも重要でありますので、こういった分野に4点目とさせていただいております。航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」に改編するなど、宇宙領域における防衛能力もしっかりと強化してまいります。
これらの予算は、厳しい安全保障環境の中で、国民の皆様の生命と平和な暮らしを断固として守り抜くため、防衛力の抜本的強化を着実に進める。こうした日本政府としての明確な国家意思を内外に表明するものだと確信をしています。
もう1点お尋ねのありました、令和8年度の安全保障関連経費の対GDP比につきましては、防衛省以外の予算も含まれており、その中に、年度末を目途に集計する公共インフラ整備などがあります。そのため、例年、対GDP比は年度末以降にお示しをしておりますので、現時点ではお示しできないことを御理解いただければと思います。いずれにせよ、今回の予算の確保については、国民の皆様に対して、丁寧で分かりやすい説明を尽くしていきます。そして、非核三原則や専守防衛の堅持、平和国家としての歩みをいささかも変えるものではないこと。日本を取り巻く周辺環境の厳しさや周辺国の軍事力の強化には一切言及せず、あたかも日本のみが軍事力強化に突き進んでいるかのような印象を与えるための特定の意図をもった情報戦が行われている中で、これらの点については、改めて、明確にこれからも説明し続けたいというふうに思います。
防衛省の発信強化とそれに伴うリスクの管理について
記者 :
発信強化についてお尋ねします。就任後、防衛省の発信の仕方を変えていくという方針を示され、御自身のSNSなども活用されていると思います。この2か月で、特に意識して取り組まれたことと、その成果について、改めて今の考えを聞かせてください。発信の仕方によっては、リスクも伴うと思いますが、留意していることなどがあれば、あわせて教えてください。
大臣 :
まずは今、防衛省を挙げてですね、防衛力強化の取組を加速している中で、安全保障環境の厳しさや、そして今、お尋ねのあった予算、これも過去最大の予算を計上させていただいていることも含めて、国民の皆さんに防衛力の変革の必要性などを御理解いただかなければ、政策に対する理解も、また実現も推進力が出ないと思っていますので、情報発信を強化することは極めて重要だと思っています。
その点で言えば、私が大臣に就任して約2か月となりますが、この中で、相当な勢いで、この広報課もそうですけれども、各部署の情報発信や、その情報発信する上で様々な準備や確認がありますから、こういったところで本当に名前を挙げたら個別の担当課、担当部隊、きりがないほど、この情報発信には協力をしてもらっています。この約2か月間、私としては、そういった積極的で、かつ、スピード感を高めた情報発信に協力をしてもらっている防衛省の各関係者に心から感謝を申し上げたいと思います。
そして、一方で、この情報発信のリスクという面も、今、御質問がありましたけれども、やはり、私も大臣に就任して以降、毎日のように機微な情報に触れています。そして、先ほど私が、昨日視察をした習志野の特殊作戦群のことにも触れましたが、そこで私が何を見て、どういった体験をさせていただいたのか、どのような部隊との交流があったのか、こういったことも言えないことだらけです。
しかし、そういった対外的には公表すべきではないこと、そこをしっかりと踏まえた上でもなお、今までだったら、やはり、かなり抑制的に情報発信をしてきたという中で、むしろそのことが国民の皆さんにとって、自衛隊が24時間365日、どのような態勢で、そしてどのような崇高な士気の高い思いで日々を過ごしているのかというのが、結果として十分に届いていないとしたら、やはりそこのバランスというものをしっかり考えて、踏まえるべきことは踏まえた上で、積極的な情報発信も必要だろうということは、思いとしてあるので、今後もそういった機微な情報を扱っている立場としての情報発信における注意点、こういったものも認識をしながら、来年もしっかりと国民の皆さんの信頼を高める上で必要な情報発信はしていきたいと思いますし、こういった今、国際環境の中では対外的に国際社会に対して、より積極的に防衛省・自衛隊の取組を知らしめるべきことが多くありますから、そこは積極的な姿勢を失わずに取り組んでいければというふうに思います。
記者 :
今のに関連して、基地を見て言えないものだらけという御発言ですが、いったいそれはどういった類いのもので言えないということなのか、特定秘密などに絡むのかということと、先ほど2030年までに中国の核弾頭1,000発ですか、超えると、同時にやはりロシアが5,600、アメリカが約5,300発核弾頭を保有しており、全世界の9割を占めているとされます。こういったことについて小泉大臣自身はどう思うのかと。
もう一つ、今度、ヘグセス国防長官と防衛相会談するということですが、今年の3月に日本は西太平洋で最前線に立つと、発言をしております。これはいろいろ、一部有識者などはアメリカの指示に基づいて自衛隊がやはり最前線の中に米軍が入ることなく、まず立つのではないかとか、そういった指摘がありますが、このヘグセス氏の発言に関しても、大臣はどういうふうに受け止めているのかお聞かせください。
大臣 :
まず、視察で私が見た中で、どういったことが言えないことなのかという御指摘がありましたが、もちろん特定秘密に関するようなそういったブリーフィングは日々受けております。そういったことに加えまして、自衛隊の部隊の具体的な運用については、自らの手の内をさらすようなことは決してしてはなりませんから、どういった事態を想定をして、訓練などをしているのか、それと隊員個人のことも含めてですね、守る責任がありますから、そこは御理解をいただきたいというふうに思います。
ただ、今まで各地の視察をさせていただいておりますが、昨日の特殊作戦群しかり、そして大宮駐屯地での化学武器防護隊、また32普通科連隊もそうですけれども、そして相浦。各地で任務を果たしている隊員のその思いというのは、まだまだ届けなければならないことは多いなと。そこの表現をどのような機微な情報に触れない形で、国民の皆さんが、そんな崇高な思いで厳しい訓練をやってくれているのか、これだったら自衛隊のことを応援しよう、また今、国の政策を信頼をもって、受け止めていただけるように。こういったところは、私としては思いがありますので、言えること、言えないことありますが、御理解いただければというふうに思います。
そして、こういうふうに情報発信をしている中で、大変ありがたいのは、視察に行って隊員の方から直接上がった具体的な要望・声、これを速やかに担当のところに大臣から指示をすると。この姿も見ていただくことで、各地部隊の視察をするたびにですね、言ってもいいんだなと。そういうふうに思ってもらえたら風通し良くなりますし、今までだったら、なかなか本省に上がっていなかったような声も、しっかりと受け止めることもできる機会になっていますから。
この前の大宮でのカロリーメイトを支給してもらいたいっていう声もそうですし、昨日の特殊作戦群の群長の医療に関するこの要望もそうですし。一個一個、全てをどこまでできるかっていうのはありますけれども、各部隊には、大臣が視察に行った時に、本当は言いたいことがあっても言っちゃいけないんだ。じゃなくてね、こうやって上がった声というのを形にするために動いてる姿を見ることで、大臣が視察に来たら、自分が抱えてることは積極的に言おうと、こういうふうに思ってもらえることも、私は大事なことだと思っています。
最後にアメリカのヘグセス長官のことがありましたが、このヘグセス長官とは今までも個人的な信頼関係をベースに、率直な意見交換をさせてもらっています。今回、こうやってアメリカの報告書で日本を取り巻く安全保障環境がいかに厳しいかということについては、先ほど挙げた核弾頭の中国の保有数も含めてですね、やはり周辺の状況を、より内外に日米が共に抑止力と対処力の向上のために、安全保障の今置かれてる状況の脅威認識などを共有してるんだなっていうことも含めて、来月、一つの前向きな機会にしたいというふうに思っています。
あと、御指摘のヘグセス長官の発言でありますけれども、日米同盟がインド太平洋地域における平和と安定の中核であることを述べたものだというふうに理解をしています。
記者 :
核弾頭の保有数が、やはりアメリカとそれが9割占めているという、その弾頭数の数の多さですね。もちろん中国が非常に増やしていることは問題ですが、その点は、大臣はどういうふうに受け止めているのでしょうか。
大臣 :
こういった中国、そしてロシアですね。この日本の周辺、そして北朝鮮の核開発も含めて、やはり、取り巻く状況をより多くの方に知っていただくことは、これは日本としても大事なことだと思います。私も来年の三文書の改定を見据えて、次の次世代の潜水艦の動力をどうするのか、これは原子力潜水艦という選択肢も排除せずに、議論すべきだということは常々、申しあげておりますし、この日本を取り巻く環境、ここについては、我々からも国民の皆さんに御理解いただくという努力を積み重ねる必要があると思っています。
原子力災害と手当について
記者 :
1月20日にも再稼働する柏崎刈羽原発で事故が起きたときなのですけれども、先週の会見で26倍の手当なので、十分な自衛隊員が現地に駆けつけていただけるということだったのですが、元新潟県知事の泉田裕彦さんが衆議院議員時代にですね、周辺住民40万人の避難は自衛隊ではできませんというふうに答えて、これは方針変更したのでしょうか。それとも、もう十分な自衛隊員の数が確保されて、それ何人ぐらいなのかというのを教えていただきたいのと、あと、トモダチ作戦で被爆した兵士について、お父さんの小泉純一郎さんが聞き取り調査をして十分な補償がないので、自ら全国行脚の講演をして寄付金を集めましたが、そういう状態、状況を踏まえてですね、本人はもちろん、家族を含めた補償、本人の健康被害に対する補償をするという自衛隊決死法案みたいな制度、法案が必要だとお考えではないでしょうか。
大臣 :
ちょっと後段の方、よく趣旨を分かりかねるのですが、まず1点目に、柏崎刈羽のお話がありましたので、そこに触れると、今月の24日に新潟県花角知事の再稼働容認を受けて、東京電力ホールディングスから柏崎刈羽原子力発電所6号機の再稼働を1月20日とする具体的な行程が示されたということは承知をしております。例えばですね、この人員に関するようなこと。一つは住民避難用のバスの運転手の不足などについてもあると思いますが、現時点で新潟県知事から自衛隊に対して直接要請はなく、この場でのコメントは差し控えますが、住民避難における輸送手段の確保は、柏崎刈羽地域原子力防災協議会が取りまとめた柏崎刈羽地域の緊急時対応において、新潟県バス協会や民間バス事業者等の協力で行われることとされております。その上で、原子力災害が発生し、不測の事態により確保した輸送能力では対応できない状況となり、新潟県から要請があった場合、実働組織、これは自衛隊、警察、消防、海上保安庁が適切な役割の下、政府一体となって必要な支援を行います。
また、原子力災害という危険な環境下で自衛隊が活動を行う場合、原子力災害対策本部からの助言、支援を受けるほか、原子力に関する専門的知見を有する陸上自衛隊の化学科部隊を投入し、安全性を確保しながら、組織的かつ機動的に活動を行ってまいります。防衛省・自衛隊としては、内閣府をはじめ、関係省庁や原子力事業者、地方公共団体などが主催をする原子力防災訓練を通じて、連携要領の確立を図るなど地域の皆様に安心をお届けできるよう、万全を期してまいりたいと思います。
記者 :
必要な人数は、人員は、自衛隊隊員何人ぐらいかというのは、1月20日までには、はっきりするという理解でよろしいのかということと、後段の質問についてはですね、要は前回も言いましたけれども、チェルノブイリの事故の時は、本人はもちろん、家族の手当てまで面倒まで見るという独ソ戦の対応と同じ約束をした上で、現地で危険な仕事をしていただいていると。これも泉田さんから聞いたのですけれども、そういう制度が日本では必要ではないかと。実際に、東日本大震災の時のトモダチ作戦で被爆したとされる米国兵士が健康被害を起こしたときに、日米政府全然救済してくれないので、お父さんの小泉純一郎さんが講演活動して、寄付金をしたということを考えれば、手当だけでは不十分じゃないかと。その後のことも考えないといけないんじゃないかという趣旨で聞いてるんですけれども。
大臣 :
手当だけでは不十分だという点については、私も同じ思いです。
例えば、昨日ですね、私は陸上自衛隊の特殊作戦群の視察もしてますし、特殊作戦群の極めて高い士気。この姿は、多くの国民の皆さんに見ていただけないことが本当に残念だと思うほど、強い印象を私に与えてくれました。もう心から彼らの存在を誇りに思います。そういった隊員にとって、誇り高く自衛官としての人生を、生涯を全うできる。こういった環境は、御指摘のとおり、手当とか、そして給与とか、こういった金銭面に限らない対応が必要だと思いますし、環境整備が必要だと思います。
そして万が一ですね、隊員が様々な任務の中で、負傷したりした場合に、どのような環境を用意するのかっていうのは、正に私が昨日、特殊作戦群を視察をする前に自衛隊の中央病院を視察をしたことからも現れているとおり、そのときに必要な医療サービスを提供する。そして、社会復帰ができるようにする。部隊復帰ができるようにする。心配している家族に安心していただけるようにする。これは当然のことです。
こういったことについては、例えば、手当だけではなくて、福利厚生の面についても、自衛隊の中で改善点は多くあるなと思っています。なので、福利厚生の分も含めて、自衛隊が国民の皆さんから、社会的存在として、より高く評価していただけるような包括的な環境改善、生活環境改善、そういったことも力を入れたいと思っています。そこは同じです。
「存立危機事態」や「核保有」に関する発言への見解
記者 :
先ほど、手の内を見せるべきではないので、情報的には伝えられないとおっしゃいました。先週、私が聞いたことと関連するのですが、高市さんの存立危機事態に関する発言。人によって手の内を晒してしまったという指摘もあります。撤回する必要はないと言った小泉大臣のその根拠を教えていただきたいのと、それから、その後にですね、尾上首相補佐官から、核保有は当然だという、オフレコの中ですが、コメントが飛び出しております。そして、小野寺政調会長からも核保有に関して何も考えずに行くのは無責任だという言葉も続いております。非核三原則に関して、今後、閣議決定だけで見直すんじゃないかという野党からの指摘もございます。小泉さんは、この点に関してそれぞれどういうお考えなのか、お聞かせください。
大臣 :
いくつかあったので、一つ目が何でしたっけ。
記者 :
高市さんの存立危機事態発言に関して、撤回が必要ない。
大臣 :
これについてからまずお答えしますが、私が撤回する必要はないと言っているのは、高市総理は岡田克也委員との、おそらく11月7日でしたか、11月7日、金曜日の予算委員会の質疑でも、私も座ってずっと聞いていましたけれども、一貫してですね、あの7日の答弁の中でも、政府の今までの答弁を一貫しておっしゃっています。こういったことについて、個別具体的なことについては述べるべきではなくて、そして、最終的には政府があらゆる情報を総合して判断する。これを繰り返されております。ついては、撤回する必要は全くないということであります。
そして、2点目が、これ核のことでしたっけ。
記者 :
そうです。核保有当然だという補佐官の発言と小野寺政調会長の何も核に関して考えずにいくのは無責任だという。
大臣 :
これはですね、まず、どなたがっていうのは、私はオフレコだと承知してますし、個人的な特定は承知をしておりませんので、どなたが言ったという前提には立たずに、コメントをすべきことがあるとすれば、私は一貫して国会答弁などでも、今の日本の周辺の安全保障環境を踏まえれば、今までと同じ守り方で、これからも日本の国民の皆さんの命と平和な暮らしを守り抜くことができるかと問われたら、同じ守り方で守れるというふうに答えられる方には、現実の安全保障環境を見ていただきたいというふうに申し上げたとおりであります。必要な防衛力の整備の在り方をどのようにすべきか。戦略をどのように現在の安全保障環境に合わせていくか。これは、正に来年行われる三文書の改定の中で、しっかりとあらゆる選択肢を排除せずに議論すべきだという思いは変わりません。
第一線での救護能力の拡大
記者 :
大臣から冒頭、習志野の特殊作戦群を視察されたお話があったんですけれども、私の聞き間違いだったら大変恐縮なんですが、現場の隊員自ら治療が行えるように衛生監に指示を出したと言われたんですけれども、現在、陸上自衛隊の方では、御存じのように第一線救護衛生員という方々がいらっしゃって、医師にしか認められないような医療行為を一部できるように仕組みが整えられていいます。今回、自ら治療ができるようにというのは、他の医療行為を現場の隊員に担わせるという、そういう意味なんでしょうか。それとも、特殊作戦群の隊員自身が何かしらの医療行為ができるように制度設計をするという、そういう意味の趣旨なのでしょうか。教えてください。
大臣 :
これは正にですね、どこまで具体的なことを申し上げるべきかというところは、かなり機微なところにも絡みますので、冒頭のこのような表現になったことは御理解をいただきたいと思うのですが、いずれにしてもですね、極めて高度な作戦を実行する。そういった時にですね、できる限り部隊の柔軟な運用ができるような形を整えること。これは、私は大切なことだと思っています。そして、それをしっかりと政治が責任を取ること。その中で、できる限り現場の声を、どのように反映をして、制度的に整えておくべきか。こういったことの観点からの私の発言だと御理解いただければと思います。
記者 :
もう一点だけ、すみません。関連なのですが、現在、輸血について、現場でもできるような検討が進められていると私は承知しているのですけれども、そこも含めての話なんですかね。それ以外の話をされているのでしょうか。
大臣 :
これはですね、一般論として申し上げると、部隊が置かれる状況っていうのは、特定の事態を想定していることではありませんが、仮に、自らが対応しなければいけないような、そういう状況に置かれた時に、制度がこれを許しませんといって、本当にその隊員の命を守れるのかといったら、現実がそれを許さない局面というのは考え得ると思います。そういったことに対して、制度的に、しっかりと安心して部隊が自らに課された責務を完遂できるような環境を作る。その思いだと御理解いただければと思います。
(以上)
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