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中谷防衛大臣が記者会見 ブルーインパルスの万博展示飛行、邦人輸送、佐賀へのオスプレイ配備その他について(7月1日)

  • 日本の防衛

2025-7-3 09:12

 令和7(2025)年7月1日(火)10時50分~11時07分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟10階会見室で閣議後の記者会見を行った。
 内容は、以下の通り。

大臣からの発表事項

7月12日、13日の大阪・関西万博でのブルーインパルスの展示飛行について

 2025年日本国際博覧会、通称「大阪・関西万博」におけるブルーインパルスの再飛行についてお知らせをいたします。
 航空自衛隊のブルーインパルスは、本年7月12日(土)及び13日(日)に、万博会場の上空で展示飛行を行うことといたしました。ブルーインパルスにつきましては、本年4月13日の万博開幕式に飛行予定でありましたが、あいにくの天候不良のため、中止となりました。私も当日、万博会場の大屋根リングの上に立って、会場にいた皆さんと共に、展示飛行の時を待っておりましたが、飛行中止となりまして、会場の皆さんが非常に残念がっているのを目の当たりにした一方で、防衛省・自衛隊とブルーインパルスに対しまして、大変温かい御声援を直接いただき、非常にありがたく思いました。
 その後、地元の皆様を始め、SNS上の投稿コメントなど、非常に多くの方々からこの再飛行を望む声を頂戴をしておりました。
 「大阪・関西万博」は、我が国で20年ぶりの国際博覧会でありまして、政府、経済界、地元自治体等の関係者が一丸となって全力で取り組むべきイベントであります。防衛省・自衛隊としても、記念すべきこの万博を一層盛り上げるべく、ブルーインパルスによる再飛行を行うことといたしました。詳細につきましては担当部局にお尋ねをいただければと思いますが、当日は、両日とも、14時40分頃に関西国際空港を離陸後、大阪南部から北上をし、通天閣、大阪城、太陽の塔、ひらかたパークなどランドマーク上空を通過飛行した後、15時頃からその後15分程度ですね、万博会場上空において演目を実施する予定であります。次こそ天候に恵まれ、展示飛行が無事行われることを願っております。引き続き、万博の成功に向けて、出来る限りの役割を果たしていきたいと思います。

邦人等の輸送の準備行為の終結について

 続きまして、邦人等の輸送の準備行為の終結について報告をいたします。
 先月19日に、イスラエルとイランとの間における攻撃の応酬が続くなど、緊張の度合いを増していた当時の中東情勢に鑑みまして、外務大臣から依頼を受け、私から統合作戦司令官に対して、邦人等の輸送が必要となった場合に迅速に対応できるように、自衛隊の輸送機を、ジブチ共和国まで移動をさせるということを命じました。
 これを受けて、C-2輸送機2機が、ジブチ共和国に移動し、現地において待機をしてきました。その上で現在は、イスラエルとイランの間に停戦合意がなされて、維持されているということ、また、退避を希望する邦人及びその御家族は、既に陸路で退避をされたということなどを踏まえまして、本日7月1日10時、外務大臣から準備行為の終了の依頼があり、10時30分に私から統合作戦司令官に対して、当該準備行為の終結を命じました。ジブチ共和国において待機していたC-2輸送機2機は、準備が整い次第、速やかに帰国をする予定であります。
 防衛省・自衛隊は、引き続き、高い緊張感をもって、外務省を始めとする関係省庁とも緊密に連携をしまして、地域全体の邦人の安全確保に万全を期すべく、適切に対応してまいります。

記者との質疑応答

佐賀駐屯地へのオスプレイ配備について

記者
 7月9日に開設される佐賀駐屯地についてお伺いします。打診から10年を経て、佐賀県へのオスプレイ配備が実現することへの所感を改めて伺います。あわせて、南西地域でオスプレイの訓練の増加も見込まれる一方、安全性に対しては住民に依然として根強い不安が残っています。オスプレイの安全性に対する防衛省の認識と、住民の不安にどのように向き合っていくお考えか、教えてください。

大臣
 7月9日に佐賀駐屯地が開設をされ、陸上自衛隊のV-22オスプレイが同駐屯地に配備をされます。本件につきましては、私自身、以前、防衛大臣として在任をしておりました10年前から深く携わってきておりまして、今回の佐賀駐屯地の開設及びV-22の移駐は、大変感慨深いものがあります。防衛大臣としまして、関係者の皆様方に改めて感謝申し上げます。
 また、防衛省としましては、オスプレイの安全性について、これまでも累次の機会に確認をし、安全性を確保して運用しています。引き続き、地元の皆様の様々な声に真摯に耳を傾け、安全確保に万全を期するとともに、オスプレイの安全性に関する情報提供を含めて、引き続き、丁寧な御説明を尽くしてまいりたいと考えております。

邦人等の輸送の準備行為の終結について

記者
 先ほどの邦人退避のオペレーションに関連して伺いたいと思うのですけれども、終結すると判断した理由やそのプロセスについて、まず教えてください。また、今後、情勢が悪化するなど事態が変わった場合に、どのように対応されるおつもりかということもお願いいたします。
 また、今回の派遣は統合作戦司令部ができてから、初めての邦人退避に向けたオペレーションになるかと思います。今回、得られた経験ですとか、また、それを今後どのようにして活かしていくおつもりかお考えをお願いいたします。

大臣
 当時の緊張の度合いを増していた中東情勢に鑑みまして、邦人等の輸送が必要となった場合に迅速に対応できますように、C-2輸送機2機をジブチ共和国で待機させてきました。このような中で、本日7月1日、外務大臣から防衛大臣に対して、邦人等の輸送の実施に必要となる準備行為の終了について依頼がなされ、私から統合作戦司令官に対して、当該準備行為の終結を命じました。
 この準備行為の終結は、まず、先月24日、米国によりイスラエルとイランとの間で停戦合意が発表されたこと、第2に、現在も維持されていること、そして、第3に、退避を希望する邦人及びその御家族等は、イスラエル及びイランから、それぞれ陸路で既に退避をされたということ、第4に、イスラエル及びイランの一部において、国際空港等の空路が正常化しつつあることなどを総合的に勘案をいたしまして、決定したものでございます。
 また、統合作戦司令部発足後初の在外邦人等の輸送に関する活動となった今回の任務では、統合幕僚長の補佐を適切に受けつつ、私から統合作戦司令官に対して準備行為を命令をし、そして、情勢の推移に応じて、邦人等の輸送が必要となった場合に迅速に対応できるように、C-2輸送機2機を速やかにジブチまで移動させたものであります。この間、統合幕僚監部、統合作戦司令部、現場部隊等が、それぞれの役割を果たしつつ、私に様々な報告が迅速になされ、そして、必要な準備を円滑に行うことができたと考えております。
 C-2輸送機は帰国をさせますけれども、防衛省・自衛隊としましては、平素から在外邦人等の輸送等に備えて必要な待機態勢をとっており、今回の活動の経験も活かされつつ、そして引き続き、関係省庁とも緊密に連携をしつつ、邦人退避を含むいかなる事態にも対応できるように、万全を期してまいりたいと考えております。

統合作戦司令部(JJOC)協力チームについて

記者
 在日米軍に新設されたと報道されている、新組織、自衛隊統合作戦司令部協力チームについて伺います。防衛省としてですね、このチームについて把握している事実関係と、今後どのようにこのチームとですね、協力を図っていきたい考えか伺います。また、JJOC発足から約3か月経ちましたけれども、米軍との連携に関して、これまでとどのような変化が生じているのか、これについても教えてください。

大臣
 御指摘のありました在日米軍に新設をされた組織につきましては、本年3月末、在日米軍が統合軍司令部のアップグレードを開始した際に設置をされました自衛隊の統合作戦司令部(JJOC)と米軍の連携を専門に行う部署でありますが、これをJJOC Cooperation Teamと承知をしております。当該アップグレードについては、本年3月30日の日米防衛相会談の際にヘグセス長官からも発表がありました。
 現在、当該部署の人員のほか、市ヶ谷を訪問して調整する機会が多い在日米軍の要員の一部は、赤坂プレス・センターのサテライトオフィスを拠点とし、日常的に防衛省・自衛隊等のカウンターパートと連絡・調整を行っています。その上で、在日米軍の統合作戦司令部のアップグレードは、当該部隊の設置のみをもって完了をするわけではなく、今後も米国内での検討を経た上で段階的に進められるものであると承知をしております。
 日本側としましては、自衛隊のJJOC、統合作戦司令部の運用も踏まえながら、相互運用性及び日米間の共同活動に係る協力を深化させるべく、自衛隊の統合作戦司令部と米軍との調整・連携要領等の細部も含めて、日米の作業部会を通じて、議論をしてまいりたいと考えております。

記者
 3か月経って米軍との連携面、大臣としては何か変化というのは感じたことはあるんでしょうか。

大臣
 これは現在ですね、このチームができまして自衛隊の先ほど申し上げました統合司令部の運用等について、協議が行われておりますので、それでしっかり協議をされることを見守っていきたいと思っております。

P-1哨戒機やその他稼働率の低い装備品について

記者
 会計検査院は27日、海上自衛隊が運用するP-1哨戒機の可動状況が低いとの報告書を公表しました。まず中谷大臣の受け止めを伺います。また、中国による威圧的な海洋進出などが続く中で、哨戒機の重要性は高まっているかと思いますが、今後の対策やそのフォローアップ方法を教えてください。安全保障関連3文書でも可動率が低い装備品の指摘がありましたが、将来的な改善に向けて、そのほかの装備品の可動状況を開示していくお考えがあるか伺います。

大臣
 今般会計検査院の随時報告がありました。その内容については、第1に、固定翼哨戒機(P-1)の開発や運用等の状況について検査をした上、第2に、低調となっている可動状況等の改善について、今後留意すべき点として3点意見が出されました。
 まず、防衛省一体となって効果的な可動状況の改善策に取り組むということ、第2に、蓄積された知見を最大限活かすとともに、必要な試験を適切に設定をし、実施をするということ、そして第3に、機体用交換部品の安定供給のための方策を検討すること、といった所見が示されたということを承知をいたしております。
 防衛省としましては、これまでもP-1の可動状況の改善等に取り組んでいるところでありますが、今般の指摘を真摯に受け止め、引き続き、P-1の可動状況の最大化に努めてまいります。
 具体的には第1に、既に蓄積された知見の共有等を含め、省内関係部署がより緊密に連携をし、不具合に対する予見可能性を更に高めるということで、不具合の未然防止に努めるということ。そして第2に、各年度の予算において部品費等を確実に計上をしつつ、PBL等の包括契約の推進等によりまして、令和9年度までに不足部品による非可動を解消するように努めてまいります。
 なお、P-1も含めた自衛隊の装備品を最大限可動するように取り組んでまいりますが、個々の装備品の可動状況の詳細につきましては、これを明らかにした場合に、有事における自衛隊の対処能力が明らかになることになり、結果として我が国の安全を害することになりかねないということから、公表することが難しいということを御理解いただきたいと思います。なお、詳細につきましては、後ほど事務方にお尋ねいただきたいと思います。

(以上)

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